コンセプトは「雲」と「風」
まだ全国的に梅雨明けをしていないが、既に蒸し暑い夜の日も出始めている。
夜は暑いからエアコンを付けっぱなしにしちゃっているという人もいるのではないだろうか。
そんな夜の寝苦しさを忘れ、“雲のように自由なスタイルで風の快適を届けてくれる寝具”が、株式会社アテックスから登場した。
その名も「空調寝具 快雲SOYO」だ。
あおむけ、横向き、うつぶせと、どんな寝姿勢にもフィットするという、鳥居のような独特な形状が特徴。
寝具の足下に搭載されたファンから毎分最大3000リットルの風を寝具内に通すことで、寝具と密着している体の部分の汗や熱を排出。汗をかいてもベトつきにくく快適な寝心地になるという。
アテックス社の実験では、掛け布団で寝た状態と比較すると、温度は5分で平均マイナス2℃、湿度は15分で平均マイナス15%の変化があったという。
風量は高・中・低の3段階から選択。ファンは取り外しでき、カバーを洗濯することも可能。
約6時間で停止する自動オフタイマーもあり、コンセントまたはモバイルバッテリーを電源として使用できる。電気代は、毎日連続6時間の使用で1カ月 約12円(1kWh=27円で計算)だという。
サイズは長さ約190センチ、横は上部約100センチ、下部2本の間は約40センチで、重さは約2.5キロ。
アテックスの公式通販で、7月1日から25,000円(税込み)で予約注文を受けており、7月10日に発売となる。
“雲”のように自由なスタイルで、寝具内を循環する“風”を感じる…まさに“快雲”といった商品だが、この独特な形状はどうして生まれたのか?
株式会社アテックス・商品開発2部の横田慎太郎さんに話を伺った。
変わった形状にも快適の理由が
ーー「快雲SOYO」が誕生した経緯を教えて
弊社は今まで、敷パッドタイプのSOYO(マット内に風を通して涼感を得る)機能の商品を約10年販売してきました。
「掛けふとんや抱き枕で同じような物が作れないか?」。数年間試行錯誤してきた結果、この何とも言えない鳥居のような形が、掛けふとんにも抱き枕にもなる形状であることを発見し、誕生しました。
ーーこの独特な形状にはどんな意味があるの?
この鳥居のような形には、それぞれ意味があります。
・横桟…まるで掛ふとんをかけているような安心感。
・2本の縦桟…足元から流れる空気が身体に接触しやすい様になっています。
機能と使い勝手を試行錯誤した結果、この形にたどり着きました。
ーー寝具内に風を通すアイデアはどこから考え付いた?
風を直接身体に当てる事は、体温が下がりすぎたり、空気中の温湿度の影響を受けて逆に体温が上がってしまったりするので、体に良くないと言われています。
では、直接風を当てずに熱や湿気を奪うにはどうすればよいか?
そこで出たアイデアが、外からではなくマットの内部に風を流せば、身体に風を当てずに、発汗(気化熱)による冷却機能を利用できるのではないかということでした。
ーーこだわりの部分はどこ?
肌ざわりと通気性にこだわったテンセル生地のカバー、クッション材にはしっかりした芯材に3Dファイバー状の樹脂材を採用し、通気性と弾力性にこだわりました。
変わった形をしていますが、寝具としての心地よさを大事にしています。
ーー製造で苦労した部分は?
風の通りを確保しながらクッション性とフィット感を得るために素材を選定するのに時間がかかりました。特に、身体の熱や湿気を奪うのに風の流量、通路、排気部分などのバランスを取るのが難しかったです。
ーー使い方の注意点は?
中に風を通すので、無理にV字に折ったりすると風の通路が確保できずに涼感が感じにくくなることがあります。
体感すると手放したくなくなる寝具
ーー現在の反響を教えて
まず、見た目で驚かれる方が多いですね(笑)。
その後、実際に寝てみてその心地よさにおどろかれる方が多いです。睡眠に悩みを持っている方にも「よく眠れた」と喜んでもらっています。
見た目が変わっているので、どういう反響になるのか不安でしたので、素直に嬉しいです。自分自身も睡眠に悩みを持っているのですが、同じ悩みを持つ方は多いんだなと思いました。
ーー今回の商品に込められた思いは?
固定概念を覆した寝具なので、使用者に受け入れて頂けるか…見ただけでは伝わらない難しさがありますが、ひとたび体感して心地よさを味わっていただければ手放したくない寝具になると自負しています。
なおアテックスでは、眠るスタイルとして基本パターンの11種類を提案している。ただ「眠り方は十人十色ひとそれぞれ、自分にフィットする最高の寝心地を見つけて欲しいです」とも話していた。
ちなみに「空調寝具 快雲SOYO」は夏だけでなく冬も使える仕様となっている。冬は電源を入れず、さらに掛け布団をかけることで、寝具内に空気層が生まれ暖かく眠れるのだそう。
どうしても奇抜な形状に目がいってしまうが、話を聞いてみると、確かに使えば快眠を得ることができそうな気もする。毎年のように夏の寝苦しさに悩んでいる人は、検討してみても良さそうだ。
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