2023年の記録的な暑さは、地中にある水道管も温めている。水道水の温度を測ると、なんと26℃。冷たい蕎麦を提供する飲食店では、様々な思いを抱えていた。
暑い日は冷たい蕎麦
9月1日の福島県相馬市の最高気温は、9月としては観測史上3番目に高い35℃の猛暑日となった。

「やっぱり残暑厳しいので、冷たい蕎麦で」と客が言うように、蕎麦店では冷たい蕎麦が人気。茹でた後に、氷水でしめてコシを出すが、2023年はいつもの夏とちょっと状況が違う。

水道水が約26℃
相馬市の蕎麦店「十割そばめんこい」で水道水の温度を測ると…約26℃。

店主・佐藤慶信さんは「水道水の温度が上がって、氷がとけやすくなって去年と比べても倍は氷を使っているかな」と話す。水がぬるいため、いつもより氷を多く入れて対応している。

温度が変わりにくい地中にあるのに
水道水の温度の上昇について、相馬地方広域水道企業団施設課長の鈴木智之さんは「太陽光によってアスファルトが熱せられ、その影響で地熱のほうがあるのではないか」と話す。

水道管は温度が変わりにくい地下に設置されているが、記録的な暑さとなった2023年は地下まで熱が届いたようだ。

蕎麦店 実はメリットも
水道水がぬるくなり氷はとけやすくなったが、悪いことばかりではないようだ。蕎麦店の店主・佐藤さんは「水道の温度が上がって、釜の水が沸騰しやすくなった。その分、時短できるっていうメリットはある」と話した。

街の人からは「水温が高いのでお風呂を沸かすガス代が浮いた」という声も聞かれるが、異例ずくめのこの暑さは、思いもよらぬ影響を及ぼしている。
(福島テレビ)