今年5月、小学校のプールの水を誤って流し続けた男性教諭に、川崎市が多額の損害賠償を求めたことに対し、多くの批判の声が上がり物議を醸しています。
この記事の画像(14枚)「個人に負担させるのはひどいのではないか」
「教員不足が言われている中、このような事をすればますますなり手がいなくなる」
川崎市に寄せられた多くの批判の声に対し、8月28日、川崎市の福田紀彦市長は会見でこう述べました。
川崎市 福田紀彦 市長:
賠償するのはかわいそうだとか、教員不足に拍車をかけるのではないかというような声があるのは承知していますが、
教員不足を助長するという話と、この賠償の責任を誰が負うかというのは全く別の話であります。
今年5月、市立稲田小学校でプール開きの準備を行っていた30代の男性教諭が、水が止まったことを確認せずに、その場を離れ5日間放置。
別の職員の指摘によって発覚するまで、約2200㎥、プール約6杯分の水が流れ続けていました。
水道料金に換算すると…約190万円。
まさかの高額費用に、福田市長は…
川崎市 福田紀彦 市長:
各自治体の事例を見ると、約半分が妥当な線だと言われていると報告を受けて(確かにそれが妥当な線だと)。
川崎市は男性教諭と校長に対し、損害額190万円の半分、約95万円を賠償請求したのです。
これに対し、市の対応を批判する内容のメールや電話が多く寄せられていることが分かりました。
街の声は?現役教師“長時間労働なども関係あるかも”
めざまし8が取材した、川崎市民の声は…。
50代女性(教師への賠償請求に反対):
反対。責任を押しつけるのであれば、先にそういうチェック機能がないところを反省して。なにもないままいきなり個人っていうのはなって。
教諭個人に費用負担をさせるのは、厳しすぎるのではないかとの声がある一方…
50代男性(税金から出すのは反対):
税金から出るのは、ちょっとおかしいかなと。個人の注意のミスなんで、それを税金でまかなうのはおかしいかなと。
現役の教師は、今回の賠償請求をどう受け止めているのでしょうか。
現役教師:
ミスが起きてしまった背景には、日頃の疲れであったりとか、長時間労働、サービス残業というのも、もしかしたらあったりするのかなと。
判断力、注意力が散漫になってしまって、今回のミスにつながったというのであれば、個人のミスだというより、教育問題、働き方改革も関係しているんじゃないのか。
この賠償請求について、めざまし8コメンテータ-の岩田さんに伺いました。
ジャーナリスト 岩田明子 氏:
ちょっと厳しいかなと思いますね。
市長の主張だと過失に対する結果責任という理屈になると思うんですけど、賠償と教員のなり手不足は別だとお話されていましたが、今疲れとか、過重労働とか教員を取り巻く環境が厳しいということにくわえて今回の対応があると、これは教員のなり手がなくなると。
これを税金で補うのがおかしいということであれば、クラウドファンディングとかも模索した方がいいのではと思いますね。
(めざまし8 8月31日放送)