アメリカ投資ファンドへの売却計画に労働組合が反発。
「そごう・西武」の旗艦店・西武池袋本店が、31日にストライキのため全館臨時閉館することになった。

30日午後1時過ぎの東京・池袋駅前の西武池袋本店。31日のストライキのため、「全館臨時閉館」のお知らせが貼られていた。
61年ぶりのストライキに衝撃広がる
よりすぐりの総菜やスイーツがそろう“デパ地下グルメ”でも人気の西武池袋本店が、全館臨時閉館へーー。

きっかけは業績不振が続く「そごう・西武」の売却計画だ。親会社のセブン&アイ・ホールディングスがアメリカの投資ファンドとの間で進める売却計画に、労働組合が雇用などの懸念から反発。
その後の交渉も不調に終わり、労働組合は31日に旗艦店の西武池袋本店でストライキを実施することを決定した。

これにより、約900人の従業員が終日勤務しない見通しとなり、会社側は西武池袋本店全館の臨時休業を決めた。
臨時休業について買い物客からは、「全館お休みですか? 困りますね。ここのデパ地下はすごく商品が揃っていて買いやすいです。いざというとき、すぐここへ来られるので…」「なかなか大きいと思います影響は」などと困惑する声が聞かれた。
大手デパートとして、61年ぶりのストライキ決行について、「海外だと、よく鉄道とかでありますけど、なかなかないので日本でもあるんだなとはびっくりしました」と驚いた様子の人もいた。

昭和15(1940)年、「武蔵野デパート」として池袋東口に開業して以来83年、地元に親しまれてきた西武池袋本店。
買い物客からは、「日本人はあんまり意見を言わないでストライキをやらないので、いいことなんじゃないかなと思います。私が働く立場だったらやっぱり嫌なので」と組合側の決断を理解する声もあった。
しかし、列島各地に店舗を持つ、「そごう・西武」でのストライキの波紋は今後も広がる可能性がある。
全館休業を前にデパ地下でセールも
31日の全館休業を前に、30日、西武池袋本店のデパ地下では割引セールが始まり、店内はにぎわっていた。

買い物客:
明日がお休みなので2割引きになるみたいですね。ラッキーですね。
明日の休業前に、生鮮食品は2割引きとなっていた。

一方、“デパ地下”の惣菜店で働く従業員には29日、「ストライキ自体はまだ決行するか決まっていませんが、木曜日の発注を止めてくれと西武から通達があり...」、「シフト入れて頂いた方は申し訳ありませんが、お休みして下さい」というメールが届いていたという。
「そごう・西武」の売却計画に反発する労働組合が、31日に決行するストライキ。

店頭の張り紙には、あさって9月1日は営業すると書かれているが、専門家はこのストライキが1日で終わらない可能性があると指摘している。

経済評論家・鈴木貴博さん:
「我々は闘うんだぞ」という意志を示していくんだと。最悪、あさって・週末までストライキが広がっていく可能性もあり得ると思います。
首都圏を中心に全国で10店舗を展開する「そごう・西武」。さらに旗艦店の西武池袋本店でのストライキの波が、今後ほかの店舗にも波及する可能性はあるのか。

経済評論家・鈴木貴博さん:
交渉がこじれにこじれた場合は、最悪ほかの店舗も含めてという形に、どんどん事態が悪化していく可能性も十分に考えられる状況です。
大手デパートでは、61年ぶりとなるストライキ。

労働組合との交渉が不調に終わったことを受け、親会社のセブン&アイ・ホールディングスは31日の取締役会で、「そごう・西武」の売却を決議する方針。
(「イット!」8月30日放送より)