5月16日は季節外れの暑さとなった。これから夏に向けて、エアコンの使用頻度も高くなるが、電気代の値上げで大きな動きがあった。政府は16日、電力大手7社が申請していた家庭向け電気料金の値上げを了承したのだ。

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経済産業省の試算によると、値上げ幅が一番大きいのが、北陸電力で42%。そのほかでは、北海道電力が21%、東北電力が24%、東京電力が14%、中国電力が29%、四国電力が25%、沖縄電力が38%となっている。

電力各社は、修正した値上げ幅を経産省に提出。認可されれば6月から値上げする見通しだ。

東京電力管内ではどれくらいの負担に?

榎並大二郎アナウンサー:
かなり地域差がありますが、この中で見れば東京電力が幅としては少ないかなと。どのぐらい、電気代が実際に上がる計算になるんですかね。

宮司愛海アナウンサー:
東京電力は記者会見を行い、標準的な家庭では経産省の試算である14%よりも低い、12.9%の値上げ幅になると発表しました。東京電力の場合は標準的な家庭で、現在の電気料金は月に6809円ですが、値上げすると7690円で、ひと月当たり881円高くなる計算になります。

榎並大二郎アナウンサー:
痛いですよね、物価高に加えて電気代も値上げしている。原さんは元々、電力会社に勤務されてましたけど。

青山学院大学 原晋監督:
電力の自由化がもう10年になりますでしょうか。旧電力会社10社が独占状態だったのを、政府が構造を変えたわけなんですけど。結果としていろんなひずみが出てるんですね。電力会社は設備産業で、何兆円かけて発電所等を作り、長年の時間をかけて回収していくのですが、自由化の流れで効率の良い電気を新電力に取られています。その分、旧電力の10社がコスト高になっている。結果として値上げに踏み切っているのかなという印象を受けます。構造そのものをもう一度見直す時期が来ているのかなと、私は考えますね。

榎並大二郎アナウンサー:
政府がもうちょっと見直さなければというところですかね。

「どこかに遊びに行った方が…」街では苦悩の声

家計を圧迫している電気代だが、皆さんはどんな節電対策をとっているのか。街で聞いてみた。

30代:
ほぼ一年中つけっぱなしで、旦那と寒暖差がすごいので。冷房ついている部屋と暖房ついている部屋みたいな。消せないから…設定温度とか。余計な電力ってなんだろう。電気をこまめに消すとかしかないのかな。

20代妻:
使っていない部屋の電気を消すとか、昼間のうちは明るいので、部屋も1カ所で使うとかですね。

20代夫:
家にいないでどこかに遊びに行った方が。エアコン代もかからないから、いいのかなと思っちゃいますよね。

60代:
省エネ対策になっている冷蔵庫を新しく買いました。これからエアコン使うから無理じゃないかな。暑いからあれだけは抑えらえないので…。

榎並大二郎アナウンサー:
ちょうどいい気温がないから、ずっとエアコン稼働してるという印象なんですよね。

宮司愛海アナウンサー:
電気代のうちエアコンが閉める割合は3割~4割ほどにのぼるとも言われています。エアコンをいかにうまく使うかどうかが、節電のカギとなってくるわけです。

夏のエアコン“節電テクニック”

そこで、節約アドバイザーの和田由貴さんに節電テクニックを聞いた。

宮司愛海アナウンサー:
まずは、いつも使っている今の設定温度を1℃アップすると、それだけでなんと10%の節電になるそうです。さらに、エアコンと扇風機のダブル使いをすること。冷気は部屋の角にたまりますので、そこに扇風機を置いて人がいるところに風を送るといいということです。

宮司愛海アナウンサー:
また、エアコンの風量は弱よりも自動にする方がいいといいます。さらに、つけっぱなしの方が電力を抑えられるだろうと考えている方も多いと思うのですが、30分以上の外出の場合はオフにすることをおすすめしているということでした。

消費者の頑張りも限界ではないか

榎並大二郎アナウンサー:
原さんは寮ですから、大変なことになるのではないですか?

青山学院大学 原晋監督:
寮もそうですが、ご家庭もそろそろ限界に近づいてるんです。大元の電力単価を下げるためには、原子力発電所を再稼働するといったところも言及していかないと。元々の発電単価が高いと、消費者のわれわれが頑張っても、限界が来ていることも事実ではないかなと思いますね。

榎並大二郎アナウンサー:
いろんな議論がありますよね。

宮司愛海アナウンサー:
さまざまな物の値段が上がっている中、うまくやりくりすることが求められていきそうです。

(「イット!」5月16日放送より)