神戸市の病院の男性医師が自殺し、労災と認定されたことを受け、遺族は今後、病院に対し、民事裁判を起こす予定だと明かした。

長時間労働で過労死の26歳男性医師 病院側「過重労働強いてない」

神戸市の甲南医療センターの医師だった高島晨伍さん(当時26歳)は、2022年5月、自宅で自殺しているのが見つかり、極度の長時間労働が原因として労災認定されている。

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高島さんの母親と医師である兄が記者会見し、病院への怒りを訴えた。

高島晨伍さんの母・高島淳子さん(60):
甲南医療センターでは、十分な労働管理はなされませんでした

労働基準監督署が調査したところ、直前の時間外労働が月およそ200時間、直前の3カ月平均でも165時間。

当直勤務だったとみられる2022年2月22日では、勤務が終わったのは「40時」。つまり、翌日の午後4時まで続けて勤務していたと認定している。

しかし、病院側はこうした長時間勤務について、研究など“自己研鑽”の時間も含まれていて、「過重な労働は強いていない」と主張した。

遺書には最後まで周りを気遣う言葉が…

高島晨伍さんの母・高島淳子さん(60):
休めるんやったらいくらでも休んでいるわ。休まれへんから行っている。「休まれへんねや」って言っていました

「優しい医師になりたい」と話していたという高島さん。遺書には周りを気遣う言葉が残されていた。

会見で、高島さんの母が涙ながらに遺書を読み上げた。

高島晨伍さんの母・高島淳子さん(60):
病院のスタッフの皆さん、優しく気遣ってくれてありがとうございました。何も貢献できていないのに、さらに仕事を増やし、ご迷惑をお掛けしてすみません。
お母さんへ改めて、もっといい選択肢はあると思うけど、選べなかった。本当に本当にありがとう。自責の念を持たないで。大好きです。

遺族は今後、病院側に損害賠償を求める民事裁判を起こす意向だ。

(関西テレビ「newsランナー」2023年8月17日放送)

関西テレビ
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