安倍元首相が亡くなって以後、会長「空席」の状態が続いてきた自民党の安倍派だが、17日に開いた総会で、塩谷会長代理が事実上の代表である「座長」になる提案が、全会一致で了承された。
今後は塩谷氏を中心とした、集団指導体制に移行する。
また、派閥を主導する主要メンバーを集めた「常任幹事会」を新たに設置することも決まった。
閣僚経験者を中心に塩谷氏がメンバーを決めるが、萩生田政調会長、松野官房長官、西村経産相、世耕参院幹事長、高木国対委員長のいわゆる「5人衆」と呼ばれる議員らが入るとみられる。
安倍氏の後継となる派閥トップの「会長」は当分の間、不在とし、時間をかけて決めるという。
安倍元首相が亡くなって1年以上、ポスト安倍をめぐる紆余(うよ)曲折の末、とりあえず落着させた形となった。。
ただし、これまで塩谷氏とともに派閥をとりまとめてきた下村会長代理は「会長を置くべき」と主張していて、「座長」案には、反対の立場。
議員総会の前日16日にも、塩谷氏と下村氏は国会内で2人で会談し、議員総会直前にも会談が行われたが、結局、最後まで両者の主張は折り合わず、議論は平行線に終わっていた。
議員総会後、塩谷氏は記者団に対し、「大変な重責を、新たに担ったという思いだ」と話し、新会長については、「すぐ新しい会長というのは、まだ見通しがつかない。次の選挙や総裁選など、何かの節目の時期で、いろんな動きが出てくると思う」などと述べた。
安倍派が新体制に移行することは決まったが、9月にも検討されている内閣改造と党役員人事を控える中、100人の巨大派閥を塩谷氏がまとめていけるかどうか、手腕が問われることになる。