京都府亀岡市で行われた保津川市民花火大会。警備強化のため、観覧席は全て有料化して実施された。今、各地の花火大会ですすむ有料化の流れで花火大会はどう変わるのか
花火大会"有料化"でどう変わった?
亀岡市の「保津川市民花火大会」では、打ち上げ場所付近などに有料の観覧席を設け、入り口でチケットの確認が行われていた。
花火は保津川の河川敷で打ち上げられるが、2022年は河川敷とJR亀岡駅北側の一部が有料だった。 2023年は駅の北側や付近の河川敷一帯は全て有料化され、チケットを持たない人は駅より北側には入れないように規制された。

亀岡市商工観光課・玉井しのぶ課長:
一番花火を近くで見て頂けるエリアを、安全に見て頂けるような形で設えをしました」
河川敷には2000円の立見エリアから、1万5000円のロイヤル席まで様々な価格設定がされました。 これについて市民は…
亀岡市民(80代):
地元民は今まで自由に見られたのに、それが見られないというのはちょっとね。以前やったら椅子持って行って、家族で楽しんでいたんやけど…、有料になっちゃうとね

実は去年あわや「群衆雪崩」になりかけ…
亀岡市民は(50代):
去年、駅に入るのに事故が起きかけていたのでね。そういうの考えたら有料は別にええことかな
実は2022年…
去年の混乱:
止まれー!止まれ!命を守ってんだ!止まれ!はい、次の3列上がりなさい。はい次の3列ゆっくりだぞ!
3年ぶりの開催に多くの人が訪れて、亀岡駅で渋滞が発生。人が押し寄せて大混乱となりました。

亀岡市は「群衆雪崩」の危険性があったことから安全を第一に検討した結果、2023年は全席を「有料化」するという選択をした。
亀岡市商工観光課・玉井しのぶ課長:
このくらいの人数が入れば誘導できるという人数に区切りまして、帰りについては、十分な誘導ができるように警備員を増強。費用をまかなっていただくために、有料エリアを設けて、財源をねん出していこうと

チケット代「2000円は高い」
こうして初めて全席有料となった大会当日。
チケットを購入した人は:
入場規制で一定の人数で保たれることでトラブルに繋がりにくいのがメリット。一回花火大会で無料のところで見ようとして、看板で重なって全然見れなかった。次は有料でいいからちゃんと見ようとなって
ゆったりとした観覧席で花火の開始を待った。一方で、有料化を知らずに訪れて困惑する人も。
ーー当日券売っているみたいですが?
会場を訪れた親子連れは:
それをいま検討中です。
ーー花火まであと10分ですが…?
会場を訪れた親子連れは:
どうしよ…買った方がいいかな…、買おうかな、買います

会場を訪れた人は:
見られるところで見ようかなと…、2000円は高いなと
また、チケットを買わずに近くで待機する人もいました。
チケットを買わなかった人は:
去年ここで見て見やすかった。(有料席は)人多いかなと。混雑から抜け出せないとか、トイレの問題とか色々あると思うので

そして保津川の上空に大輪が咲きました。
チケットを持たない人も駅の南側に集まったり、ビルの隙間から見つめたり、観覧席以外の場所を探し、街のいたるところからおよそ1万発の花火を楽しみました。 懸念されていた帰宅時の事故もなく、大会は大きな混乱なく終わりました。
「屋台」の売上に変化
一方で、祭りの華、屋台の売上には影響があったようだ。
屋台の人は:
去年よりはちょっと暇かな
ーー売上は?
屋台の人は:
全然です。
屋台の人は:
ちょっと少ないかなと思う部分はありますね
ーー今回はチケット制だから?
屋台の人は:
それがあるかもわからないですね

亀岡市によると、有料観覧席以外も含め、2023年の花火を楽しんだ人は約8万人と推定。
2022年の11万人より減りましたが、安全が確実に確保されたため2024年以降も、全席有料化を検討するという。

亀岡市の担当者:
有料化を白紙に戻すということになればそもそも花火大会自体ができないような状況。亀岡市民の方がたくさん楽しみにされている、地域の夏の事業ということで出来るだけ継続できればいいなと思っている

花火大会を巡っては、警備費だけでなく、花火そのものの高騰など様々な理由から各地で「有料化」が進んでいる。
そもそも、疫病退散などを目的に江戸時代に始まったとされる花火大会。いつしか、無料で楽しめる夏の風物詩として定着したが、時代の移り変わりに合わせて今後、在り様が変わっていくのかもしれない。
(関西テレビ「newsランナー」8月14日放送)