石川県金沢市にある小学校で盆休みに同級生が集まり、約30年前に埋めたタイムカプセルを開封した。中にはどんなものが入っていたのだろうか。

金石町小学校
金石町小学校
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30年前に埋めたタイムカプセル

午前10時、夏休み中の校舎に続々と集まってきたのは、子どもたち…ではなく大勢の大人だ。金沢市立金石町小学校は1872年に創立した。1991年には新校舎が完成し、その記念として当時の全児童によるタイムカプセルを校内のマンホールの中に閉じ込めたのだった。開封するのは“30年後”という約束で。

タイムカプセルが入ったマンホール
タイムカプセルが入ったマンホール

卒業生たちは「先生と一緒にマンホールの中に何か入れたことは覚えている。すごく楽しみです。でもちょっと怖いですね」「何を書いていたのか。息子に見せられるものかどうか、ちょっと心配です」などとそわそわしていた。元々は2022年に開封する予定だったが、新型コロナの感染拡大で延期となった。そして2023年8月、開封の日を待ちわびた約200人の卒業生が集まった。

小学生だった自分から届いた贈り物

マンホールを開けると、プラスチック製のタイムカプセルが姿を現した。

タイムカプセル
タイムカプセル

カプセルを固定していたネジを外し、「せーの」という掛け声とともに開封すると…中に入っていたのは、自作の絵や30年後の自分にあてた作文の数々だ。ビニールに包まれた中身は丁寧に保管され、当時の状態で保たれていた。

卒業生の一人が手にしていたのは新校舎の窓から見た景色を描いた絵だ。

中には30年後を想像した友人の姿を描いていた人も。「そんなに思っとってくれて、ありがとう」と絵に描かれた友人は照れ臭くもとてもうれしそうだ。

「息子に見せられるか心配」と話していた女性が手にしていたのは当時の自画像だった。「背景までしっかり塗っている。何となく見られる絵ですね」と一安心していた。

そのうえで「こういうのを見ると当時の先生方の愛情も感じますし、また頑張ろうって気になります」と話した。30年前の自分から届いた贈り物。タイムカプセルだからこそもたらされる特別な感情が確かにあるようだ。

タイムカプセルがつなぐ縁

タイムカプセルがつないだ縁。久しぶりに会う同級生との再会にも思わず笑顔がこぼれていた。世話人の鶴山雄一さんは「金石ならではのつながりや、各世代の交流をもっとこれからも続けて行きたいと思っていますし、次の世代にもこういった楽しみをしっかり残していきたいと思っています」と話した。卒業生たちにとって、笑顔と元気が溢れるお盆の大切なひとときとなったようだ。

(石川テレビ)

石川テレビ
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