お盆休みで全国の観光地が多くの人出で賑わった。一方で、マナーの悪い観光客によるゴミのポイ捨てなどのオーバーツーリズム(観光公害)が問題となっている場所もある。現状と対策を取材した。

富士山で通行制限始まる

世界遺産の登録から、2023年で10年を迎えた富士山。外国人観光客の数も7割方回復したとあって、外国人らしき登山客が目立つ。

富士山の登山道
富士山の登山道
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登山道では、肩を大きく出したタンクトップ姿の女性や半ズボンをはいたグループが山頂へと向かっていく光景も見られた。パジャマのような軽装で登山したという男性は「管理の人にめちゃくちゃ注意された」と話す。

富士山の登山道
富士山の登山道

他にも、一部の登山客が残したゴミや登山道の混雑などはオーバーツーリズム(観光公害)と呼ばれ、近年問題視されている。こうした事態に山梨県は、登山道が混雑して登山客の安全が脅かされるような場合、11日から通行を制限する規制を始めた。

川越は商店街が対策に乗り出す

年間約550万人が訪れる関東有数の観光地、埼玉・川越市は、小江戸の風情を今に伝えるレトロな町並みで人気を集めている。

しかし、車道はバスなど交通量が多い一方で、歩道の幅は狭く、観光客と車がスレスレですれ違っていた。

コロナ禍前の2018年に撮られた写真には、食べ歩きなどで出たカップや串などがゴミ箱から溢れ出す様子がおさめられていた。観光客の中には、飲食をしながら店の中に入る人もいたという。「呉服かんだ」の神田善正さんは「(店舗に)入ってきて食べたり飲んだりっていうのは普通というか、されている方が(数年くらい前まで)多かった」と話す。

また近隣住民からは「ゴミはちょっとひどい。ポイ捨ては結構ある」「タバコなんて駐車場の死角を狙ったところにポイ捨てがあったり…」といった声が聞かれた。

こうした状況を受け、対策に乗り出したのが地元の商店街だ。

食べ歩きのカップなどについて、商店街では自分の店で提供したものでなくても回収するよう全ての店舗に要請。ゴミを捨てる人が1回100円を払う有料のゴミ回収ボックスを試験的に設置した。

川越一番街商業協同組合の藤井清隆理事長は、「規制はしたくないと考えている。(各店舗が)自分たちで解決に向かって運動していただきたい。またお客さまにもマナーやモラルを守った観光を心がけていただければと思う」と話す。

観光地側の対策に加え、観光客のマナー向上も求められている。

(「イット!」8月13日放送より)

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