広島の高校の新聞部員が見た原爆の日。サミットから取材を続けてきた高校生らは、8月6日の大切さを改めて感じたという。その取材活動を追った。

サミットは特別取材班を組んで精力的に取材

広島市の崇徳高校の新聞部は、5月のG7広島サミットを総力取材。

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事前に被爆者などの取材を重ね、サミット期間の3日間は部員約40人が最大9班に分かれて取材を展開した。

崇徳高校 新聞部・川畑悠成 部長:
(ゼレンスキー大統領の写真を見て)ゼレンスキー大統領ですね。広島に来ることで、何か伝えたい思いやメッセージがあったんじゃないかなと。

「原爆の日」の6日、崇徳高校では、犠牲者に黙とうがささげられた。

8月6日 崇徳高校
8月6日 崇徳高校

校内各クラスでは新聞部のサミット取材をまとめた特集号が配られた。

16面にまとめられた「G7広島サミット特集号」は、期間中の3日間で行われた会見などの動きや有識者の評価などを高校生目線で記事にした。

また、同世代が理解できるよう難しい言葉の解説も随所に入っている。

崇徳高校新聞部・G7広島サミット取材特別編成班・坂田勇太 代表:
ありのままを伝えようというのを意識している。

新聞部 G7広島サミット取材特別編成班・坂田勇太代表:
いろいろな記事などで”サミット失敗だった”みたいな書かれ方をしているが、被爆者の記者会見のほぼ一番前に座って、高校生が感じたのは、サミット失敗というより、悲しみや無念だったので、そこを絶対伝えたいなと思った

平和公園の取材で8月6日の大切さを実感

そして被爆78年のこの日も取材に…。

平和公園を訪れた人の声を集めるのは1・2年生のグループ。8月6日の取材をしたことがあるのは5人のうちだた1人。

崇徳高校 新聞部・山西希歩記者(2年):
なるべく多くの意見、違った価値観の意見が欲しいので、年代が固まらないように、分けて聞いていきたいなと思っている

加藤雅也アナウンサー:
資料館の前では被爆ピアノの平和コンサートが行われていますが、生徒たちは先ほど演奏を終えた音楽家の方々にお話を聞いています

被爆ピアノのコンサート
被爆ピアノのコンサート

加藤アナウンサー:
熱心にメモをとる姿、真剣に話をきく表情、熱意が伝わってきます

崇徳高校 新聞部記者:
Q:若者がこれから平和な世界を築くためにできることは何があると思う?

被爆ピアノの平和コンサートに参加・高校2年生:
平和にしていくための道はどういう形でもいい。今は平和な現状ではないが、みんなが一人ずつ違う形で何か行動をしていけば、平和は絶対叶うものだと思うし、私は音楽で貢献したい

国籍や世代を問わず様々な人に声をかける高校生たちの姿勢は、若い世代に大きな刺激を与えていた。

平和公園を訪れた20代:
しっかりしている。ご自分の考えを持っていて。すごい平和に対する熱い思いがあって考えさせられる

サミット後、初の”ハチロク”(8月6日)に何を感じたのか?

崇徳高校新聞部・江崎麻央記者(2年):
声をかけたほとんどが広島県外の人だったのが、だいぶ意外でしたね。

崇徳高校新聞部・江崎麻央記者(2年):
ここに集まるということは、広島県内の人が多いんだろうなと勝手に思っていたが、やはり自分がこういう部活に関わっていなくて、普通の高校生として生活していたら、確かに私も平和公園にわざわざ行こうとはならなかったと思う

崇徳高校新聞部・江崎麻央記者(2年):
そういうところが8月6日を広島県民があまり大切にできていない部分で、そういう積み重ねが、どんどん今後の平和の維持に関わってくるのかなと思った。私たちが8月6日の大切さを広島県民に伝えていけたらなと思う

高校生らの独自の視点で伝える新聞。次の発行は今回取材した「8月6日原爆の日特集」だ。

(テレビ新広島)

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