岡山代表として2023年の「夏の甲子園」に出場したおかやま山陽高校。この夏、熱戦を繰り広げたのは野球部だけではなかった。
スイーツ甲子園の強豪校の“おかやま山陽高校”
日本一の高校生パティシエを決めるコンテスト「スイーツ甲子園」。8月3日、岡山市で行われた西日本大会に、おかやま山陽高校・製菓科の生徒の姿があった。

浅口市のおかやま山陽高校は、3年前には日本一に輝いたスイーツ甲子園の強豪校で、2023年は2年生と3年生の2チームが西日本大会に出場する。
3年生にとっては最後の夏、夏休みに入ってからは毎日、練習に励み、真剣な表情でスイーツと向き合う。

おかやま山陽高校・三谷真歩先生:
きょうは集中している。3人チームワークがよくて、頼んでもないのに朝練習に来る。自分たちの納得できるケーキを大会で作ってもらえたら
3人の将来の夢は「スイーツに関わる仕事」

大会は、3人1組となってホールケーキを作り、味や飾りつけの技術、調理の姿勢など5つのポイントで採点される。

2023年のテーマは「アニバーサリーケーキ」。3年生は学校の創立100周年に合わせて、虹や風船をイメージしたアメ細工を作ることにした。繊細な技術が求められる難しい作業だ。

この日の練習では、12分を残して見事完成。後悔のない最高のケーキを作るため、本番を想定した練習をひたすら繰り返す。

おかやま山陽高校・小西花さん:
将来の夢はたくさんの人を幸せにできるパティシエになって、いつか自分もその楽しさを人に伝えられるような立場になれたら

おかやま山陽高校・岡山ひかるさん:
スイーツを作るのが好きで、スイーツに関わる仕事がしたいと思った

おかやま山陽高校・星島彩希さん:
家族がイチゴ園をしているから、イチゴをたくさん使ったケーキを提供できるカフェを開きたい。高校3年で最後のチャンスだから、絶対にものにしたい。夏休み返上でしっかり頑張りたい
3年生のチームの1人、星島彩希さんは、両親がイチゴ農園を営んでいる。

星島さんは、売れ残ったイチゴを再利用したレシピを考案した。

おかやま山陽高校・星島彩希さん:
今回使用しているのが、作りすぎて冷凍しているイチゴ。それは売れない。それをいろんな人に食べてもらえるのは、これからにとって意味のあること
将来のためにも、これからの時代に求められるケーキで勝負する。
制限時間内でどれだけ完成度を高められるか
迎えた西日本大会当日。生徒たちは、「めちゃくちゃ楽しみ」「いつも通り、練習のように頑張っていけたら」と意気込む。

そして…司会のかけ声とともに大会がスタート。

3人とも落ち着いた様子で出だしは好調だ。決勝に進めるのは12チームの上位3チーム。相手となるのは100以上の応募の中から書類審査を通った強豪校ばかり。1時間40分の制限時間内で、どれだけ完成度を高められるか、3人のチームワークがカギを握る。

阿吽の呼吸の3人は、順調に完成に近づいていたが、最後の仕上げで、アメ細工がうまくくっつかない。土台が固まらず、転倒してしまう。
練習ではすでに完成していた残り5分を切ってしまった。

なんとか時間内に完成させたが、アメ細工をケーキに乗せることができなかった。結果は…
「これからもパティシエのことを勉強」

決勝進出の3チームに、おかやま山陽高校のチーム名は呼ばれなかった。

おかやま山陽高校・三谷真歩先生:
私から見たらみんな100点。一緒に頑張ってくれてありがとう

おかやま山陽高校・岡山ひかるさん:
もっとやりたかった。みんなで出場できて幸せでした。最後の高校生活もう少しだけど、パティシエのことも勉強していきたい

おかやま山陽高校・小西花さん:
悔しいです。私はまだパティシエになりたいと思っているから、この悔しさや足りなかった部分を直せていけたら

おかやま山陽高校・星島彩希さん:
悔しい思いはしたけど、夏休みずっと頑張ってきてよかった。大人になっておいしいケーキが作れるように、これからも修行していきたい
全力で駆け抜けた高校最後の夏。この悔しさをバネに、生徒たちはこれからも最高のパティシエを目指す。
(岡山放送)