「生ガキ禁止」をルールとする会社や、サイコロの出目によって給料が決まる「サイコロ給」を採用する会社。そんな企業が決めた不思議な「社則」について調べた。
会社が独自に決めたルール「社則」

「社則」について牧野太郎弁護士に聞いたところ、法律上の明確な定義はないが、公に提出する就業規則や賃金設定をはじめ、服装など会社が独自に決めたルールをひっくるめて「社則」や「社内規定」と呼ぶとのこと。

牧野弁護士の事務所の社則の一つが「顧客の相談内容をはじめ、業務上知り得た情報全般について、全スタッフに守秘義務を徹底」だ。
たとえ職員が秘密を漏らした場合でも、弁護士である自分が処罰対象となってしまい、本当に信頼のおけるスタッフのみを置いていると話している。
ホテルでは「生ガキ禁止」

「名古屋マリオットアソシアホテル」では、身だしなみをはじめたくさんの社則があるが、その中に「全社員、プライベートでも生ガキを食べてはいけない」というものがある。
理由はノロウイルスの感染予防だ。感染力が強く目に見えないので、もし感染者が出てしまった場合は、通った場所全てを消毒しなければならない。仮に食堂に立ち入っていた場合は、全食材を廃棄しなければならない可能性も出るため、業務が立ち行かなくなるという。
このため、普段から手洗いなどを徹底しつつ、ノロウイルスの原因になりやすい生ガキはプライベートでも食べてはいけないと決めている。
「ペット同伴OK」の会社とは?

ペットフードの「カルカン」やチョコレートの「エムアンドエムズ」を販売する「マースジャパンリミテッド」は、社則で「ペット同伴OK」としている。
飼い主はペットと交流すると健康状態が良くなることが研究で明らかにされていて、「ペットにより良い世界」を会社のビジョンに掲げ、OKにしているという。
ほかにも、「ペットを亡くした社員は1日有給休暇がもらえる」「出張する時、ペットホテル代を支給する制度」もあるという。
アプリゲーム制作企業は「サイコロ」で給料を決める

サイコロの出目によって給料が決まる「サイコロ給」を採用しているのが、神奈川県鎌倉市に本社を置くIT企業「面白法人カヤック」だ。アプリゲーム制作や、企業の広告企画や制作を手掛けている。
月給にサイコロの出た目のパーセントが+αとしてボーナスに加算して支給される仕組みで、例えば月給が30万円でサイコロで6を出したら、30万円の6%=1万8千円が加算される。

なぜ、この制度を作ったのか聞いた。
面白法人カヤックの広報:
給料って人からの評価で決まる部分が多いので、楽しく面白く働けないんじゃないかと。仕事をする一番の目的が「上司の評価」となってしまうと、会社としてもよくない。評価制度に捉われない給与があっても面白いんじゃないかというのと、社員のモチベーションが上がってくれたり、のびのびと働いてくれたらというところからサイコロ給ができた
創立した1998年からやっている伝統社則で、なんとWEB上には「サイコロ給ランキング」なるものまで公開されていて、誰がたくさんもらったかわかるようになっている。

3カ月連続で同じ目を出したら、出目を2倍としている。

現在の1位は、3カ月連続で6を出したという。
(東海テレビ 2023年7月14日放送分)