G7広島サミットで首脳らに英語で被爆証言をした小倉桂子さんはどんな8月6日を迎えたのか。昨年2022年に小倉さんが講演した、アメリカの大学の学生らが広島を訪れたが、小倉さんが伝えた思いは大きく成長していた。
「原爆の日」も英語で被爆証言
小倉桂子さん講演:
I was 8 years old,when the bomb dropped.(原爆が落ちた時、私は8歳でした)
6日、平和記念式典終了後、外国から来た人へ被爆証言をしていたのは、8歳のとき爆心地から2.4キロの自宅で被爆した小倉桂子さん。
この世の地獄を経験し、同じ想いを誰にもしてほしくないと、国内外で年間2,000人のペースで伝え続けてきた。
小倉さん講演:
First know what happen reality Hiroshima, secondly please discuss each other what we can do and start to do and find out what you can do.(最初に広島で現実に何が起こったのか知ってほしい。次に何ができるか話しあってほしい。そして、できることから実際にはじめてください)
いつものように、被爆証言をして迎えた8月6日だが、例年と違うことがあった。
小倉さん:
うちでテレビで式典を見てました。体力を温存しなきゃいけない
これまでは、毎年、平和記念式典に参列してきたが、体力に限界があり、今年2023年は取りやめた。
小倉さん:
先のことをどうしても考えてしまいますよね。毎年式典の中で好きなのは、子供たちのメッセージ。絶対それは聞き漏らさないように聞いて、本当に未来を委ねたいというふうに思いますよね
講演した米アイダホ大学から学生らが“お土産”携え広島に
「次世代に託す」そこに希望を感じる出来事も…。
6日、平和記念式典に参列していたのは、アメリカ、アイダホ大学の学生たち。
小倉さんは昨年2022年、アメリカのアイダホ大学に行き、日本語クラスを訪れ、自分の被爆体験を紙芝居で紹介した。
小倉さん:(2022年9月)
(英語)どうか私の経験を地元の小中学生に伝えてください。なぜなら、(日本語)あなたたちは日本語ができる人だから
学生たちはこの半年、紙芝居の英訳作業を続け、ついに完成させた。
そして6日午後、広島大学で学生たちは、その紙芝居を披露した。
米アイダホ大 学生の紙芝居(英語):
8月5日の9時、空襲警報が延々と鳴りやまなかった
学生たちは、感情を込めて被爆体験を伝えた。
アイダホ大学の学生(日本語):
小倉さんは大切な想いを私に伝えました。その想いはみなさまへ…伝えるのが…ほしいです
(会場から拍手)
小倉さん:
きょうまで走ってきたけど、私のバトンを若い人たちに渡して、そのまま立ち止まらないで、走り続けてくれるんだなということを心から感じました
被爆者の高齢化が進み、平均年齢は85歳。被爆の実相を次の世代にいかに受け継ぐかが課題となっている。
このような中、小倉さんが海を越えて、まいた平和の種は、しっかりと若い世代に芽吹き、根付き始めているようだ。
(テレビ新広島)