被災者にとっての「西日本豪雨1カ月」

 
 
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西日本豪雨から1週間に渡る取材、さらに1か月という節目で被災地広島に足を運びました。
地域によって事情は異なります。ただ僅かながらも復旧復興への確かな道は「人間」の力によって築かれていました。

災害からのこの1ヶ月間は目の前の瓦礫を何とかする事しか考えられなかった」「暗闇の中で明日への光を必死に探し続けた1ヶ月だった」と被災者の多くが振り返りました。

被災地にとっては「1か月」という節目も区切りも関係ありません。しかし今後は生活再建に向け、住宅やマンションの保険や罹災証明との向き合い、仕事への復帰はいつになるのか、我が子の保育や教育はどうするのか、失われた余りにも多くの現実を少しずつでも取り戻す闘いが待っています。

災害の情報をいかに「行動」につなげるか

 
 

抗うことはできない自然にどう向き合い、そして今後も昔と変わらない恩恵を如何に受けていくのか。私達は永遠の課題を改めて突き付けられました。

TV、インターネット、スマートフォン、SNS、情報ツールが溢れる中で、異常気象をいち早く正確にキャッチする技術の進歩は目覚ましく、気象庁から出される「災害関連情報」も数多あります。
ただ今後、真摯に向き合っていかなければならないのは、その情報を各自治体が、いかに有効に活用して「避難関連情報」に繋げ、発信できるかという点。更に言えばその情報をいかに地域のすべての住民に伝達し、本来の目的である「行動」に移してもらえるか。

「濁流で逃げられなかった」

 
 

取材を通し多く聞かれた「避難指示が出ているのに家の前は濁流で溢れ返り逃げる事が出来なかった」という声には、現在の誤った認識と喫緊の課題が集約されています。これは本当に本当に大きな問題です。官民一体での情報の交通整理が早急に求められます。

「異常気象」という言葉が当たり前になった今日、想像を超える甚大で無慈悲な災害から 生活を守るには?

その答えを皆さんは持っていますか。

(執筆:「プライムニュースイブニング」倉田大誠キャスター)

倉田大誠
倉田大誠