みずみずしいキュウリで厳しい夏の暑さを乗り切り、病気や災いをキュウリに封じ込めて無病息災を祈願するという、一風変わった「きゅうり封じ祭」。500年以上続く夏の伝統行事が2023年も佐賀・太良町で行われた。

キュウリに無病息災の願い事

太良町にある竹崎観世音寺で500年以上続く夏の伝統行事「きゅうり封じ祭」。

中俣理子記者:
病気や災いを封じ込めるのは、成分のほとんどが水分でできているキュウリです

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真夏の厳しい暑さをキュウリのみずみずしさにあやかって乗り切ろうとしたのが始まりと伝えられている。

祭壇に積まれているのは、参拝者がそれぞれ持参したキュウリ。無病息災の願い事が書かれている。

この後、寺の住職が護摩をたきながら1本1本に病気や災いを封じ込めていった。

参加者:
家族の健康と世界平和。安心ですね。ちゃんと「きゅうり封じ祭」を越さないと。夏バテもしないようにね

おはらいしたキュウリが消える?

ただ、祭りはこれで終わりではない。キュウリに封じ込めるのはこんな理由もあるのだ。

参加者:
向こうにキュウリを置くところがあるが、置いておはらいをしてもらうと、しばらくの間にキュウリがなくなるんです

なんと、おはらいを終えたキュウリを本殿の裏の塚に奉納すると、約1カ月後にはなくなっているというのだ。

とは言っても怪奇現象というわけではなく、キュウリは成分の9割以上が水分だというのが主な理由。水分は蒸発、ほかは土の微生物に分解されてなくなり、同時に、封じ込めた病気や災いなどもなくなるというのだ。

竹崎観世音寺 住職・澤光樹さん:
ご自分のことはもちろん、大切な家族やご友人など、皆さんのことをお祈りしていただければ

「きゅうり封じ祭」は8月5日までの5日間開かれていて、例年約100本のキュウリが奉納される。

(サガテレビ)

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