台風やゲリラ雷雨など、災害級の悪天候が続いている。防災グッズや災害時に役立つ情報などについてバズったツイートから、すぐにできる対策をまとめた。

警視庁のバズったツイート「かさばらない“防災ボトル”」

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警視庁警備部災害対策課が、2022年にツイートしてバズったのが「かさばらない“防災ボトル”」だ。

500ミリリットルの蓋付き「ウォーターボトル」を用意して、その中に「ホイッスル(笛)」「圧縮タオル」「エチケット袋」「ミニライト」「ビニール袋」「常備薬」「ばんそうこう」「アルコール消毒綿」「ようかん」「現金」を収納する。

すると持ち運びに便利な防災グッズとなり、ネット上でも「素晴らしいアイデア」「これなら誰でも出来るな」と大きな反響を呼んで6万9000いいね!が付いた。

警視庁警備部災害対策課の担当者は、カバンやリュックサックに入れても気にならない持ち運びしやすい点が話題になったのではないかと話している。

また「この時期には扇子を収納するのもいい」と暑さ対策にもなる使い方も提案してくれた。

警視庁警備部災害対策課のツイートでは、車が水没した時の対策として、緊急脱出ハンマーを使うコツをつぶやいたものがある。

ポイントは「ガラスの“隅”を垂直に数回叩くこと」としている。ガラスの性質上、中央に近いほど弾性があり割れにくいという。

また、フロントガラスはサイドガラスと材質が違い、叩いても割れないので注意が必要としている。

知っておけば、いざという時に役立つかもしれない。

「うおおおああおおお」と興奮の反応 リュックのバックルが「実は笛」

リュックサックのバックル(ストラップを留めるもの)に関する知られざる機能でバズったツイートもある。

バックルの端に注目すると、少しとび出て穴が開いているが、これが「笛」になっていることについてのツイートだ。

「10年使ってるけど知らなかったわー」とつぶやくと「初めて知りました」「うおおおおああおおお マジだやべえええええ」など反響を呼び、3万3000いいね!がついた。

ホイッスル付きバックルは、大手アウトドアメーカーのリュックサックでは標準的だという。「ノースフェイス」によると、主に山で非常事態が起きた時で、具体的には遭難してしまった場合や、周囲に危険を知らせたい時に備える目的で“救難信号”としてつけられたものだ。

その後「危険を伝える」という点から子供用のリュックサックにもつけられ、 “子供用安全ブザー”としての役割も担うようになった。

“非常事態を知らせる”という点から防災や災害時にも活用できるという見方が広まり、防災バッグに使う人も多いという。「日常使いのものを防災にも役立てる」備えない防災=「フェーズフリー」として有効という声もあがっている。

リュックに笛がついていない場合でも、ホイッスル付きのストラップが単体でも販売されている。

値段は様々だが、700円ほどで買うことができる。

緊急時には外国人にもわかりやすい「やさしい日本語」を

長野県の防災のアカウントが2019年、災害時に日本語に不慣れな外国人のことを思ったツイートもバズった。

「にほんごが にがてな がいこくじんの みなさんに、たくさんの がいこくごで はなしが できる でんわをつくりました。 あめや かぜで こまったら、↓のばんごうに でんわを してください。080-・・・」

このツイートは2019年、長野県を台風19号が通過し、千曲川の堤防が決壊するなど、甚大な被害が出た際、被災者に相談窓口を伝えようとした時のツイートだ。

ツイートを見た人からは「人の優しさ思いやりを感じました」「県民が本当に求めているのはこういうことだと思います」などと反応があり、3万4000いいね!がついた。

当時の県の担当者によりますと「言葉が伝わりにくい人たちに、どういう日本語がわかりやすいか」を考え、アドバイスもあってひらがなで投稿したという。

共感を呼んだ理由について、防災士の椿佳代さんは「やさしい日本語」がポイントになったという。

これは、普段使われる日本語を外国人にもわかるよう配慮した簡単な日本語で、阪神淡路大震災の時に情報がうまく伝わらず、多くの外国人が被害を受けたことから、できるだけ早く正しい日本語を伝えようとして、動きが始まったという。

例えば「ただちに高台に避難してください」という言葉は「ただちに」→「すぐに」、「高台」→「高いところ」、「避難」→「にげる」と、やさしい日本語に言い換えると「すぐに高(たか)いところににげてください」というように「文は短く」「簡単な言葉」「漢字にはふりがな」「イラストや写真を使う」ことで外国人にも伝わりやすくなる。

椿さんは「非常時、災害弱者である老人・子供・外国人にもわかりやすい言葉を使うことで、適切な行動をとれる」ことが、多くの命が守られることにつながると話している。

東海地方でも広がる「やさしい日本語」

「やさしい日本語」は、東海地方でも広まりつつある。

名古屋では「カルタ」が作られた。66個の防災用語をわかりやすく伝えようとボランティア団体が作成し、国際交流の場で使われているという。カルタの他、トランプやフラッシュカードとしても楽しめるようになっている。

岐阜県大垣市では2023年6月、市のHPに「やさしい日本語」のボタンがついた。

クリックすると、AIで自動的に漢字にふりがなをつけ、一部の難しい言葉は、簡単な言葉に言い換えるという。

2023年7月12日放送

(東海テレビ)

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