連日の暑さにともない増えているのは、熱中症の救急患者だ。 先週、熱中症で救急搬送された人の数は、全国で1万1,765人、その半数以上が高齢者だった。注目すべきは、全体の4割を超える人が「住居」にいたことだ。

4割が住居で…なぜエアコンを使わない?

東京都では、7月29日に90代と80代の夫婦が、30日には70代くらいの男女が寝室で死亡しているのが見つかった。 どちらもエアコンが使われず室内が高温になっていて、熱中症の疑いがあるということだ。

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東京都監察医務院によると、23区内では7月31日までに89人が熱中症の疑いで死亡したが、うち70人がエアコンを使用していない室内にいた。

なぜエアコンを使わないのか、街のお年寄りに聞いた。

街の人(76):
風通しを良くして扇風機をつけているだけやね

ーーなぜ?

街の人(76):
あまり、クーラーをつける習慣がないから。電気代がもったいないとか

街の人(90):
夜はアイスノンを頭にして、扇風機をかけっぱなしで。結構よく寝られますわ

街の人:
30度にエアコンを設定しても、私にしたら寒いんですよ。エアコンをつけないと「年寄りはそれだから死ぬ」って娘に言われるんだけど、つけると余計しんどい

これまでにない暑さが襲う中、大阪の訪問介護事業者は、高齢者にエアコンを活用するよう積極的に勧めている。

チアフル 石本貴則代表取締役:
団塊の世代の方たちって、辛抱強くて我慢強い人も多いのですけれど、やはり命に関わることなので

ヘルパーはどのように注意喚起しているのか?

この日、ヘルパーの竹田さんが担当するのは、堺市に住む高齢男性の自宅。手に用紙を持っている。

ヘルパー竹田佳奈さん:
これ(用紙)は、利用者さんに熱中症予防の水分補給の声掛けとかするやつです。暑くなる前に皆さんに配っています

注意喚起の用紙を手に訪問すると…

ヘルパー竹田佳奈さん:
涼しいですね、お部屋

訪問介護利用者(71):
ずっとクーラーかけていてますんで

71歳の男性が一人暮らしをする部屋は、エアコンが稼働中。寝ている時もエアコンはつけっぱなしだという室内の温度は…

訪問介護利用者(71):
これやったら26度やで

ーー温度計を持っているの?

訪問介護利用者(71):
これは温度計

デジタル時計についた温度計を見て、常に室温を26度前後に保っているそうだ。

さらに、ベッド近くの机の上にはペットボトルの水を置いている。

訪問介護利用者(71):
水を入れておいて、常に置いとくねん。ほんなら動かんで済むやんか。水やったら生ぬるくなるから、半分凍らしておいて、半分水を入れて

「1日2リットル以上は水分を取る」ことをマイルールにしているという。

2年前まで「夜は扇風機だけで大丈夫」だと考えていたが…

熱中症対策に抜かりのない男性だが、実はほんの2年前まで「30度ぐらいへっちゃら」「夜は扇風機だけで大丈夫」だと考えていた。

訪問介護利用者(71):
一度、熱中症になりかかったことあるんです。夜中に1時間おきに目が覚めて「体が熱いなあ」と思っていて、熱を計ったら37度あって。保冷剤を冷凍庫に冷やしてあるから、首と脇にあてて、じっとしていた。夕方になったら平常に戻ったけど。あんな苦しいもんと思わへんかったもん

それ以来、就寝時もかかさずエアコンを活用するようにしている。

「室内だから」と油断しないで、熱中症にならないための対策を講じる必要がある。

(関西テレビ「newsランナー」2023年8月2日放送)

関西テレビ
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