北海道函館市内の小学校でこの夏、プール授業が突然中止となった。

理由は送迎バスの運転手不足。

函館市はプール施設のある学校まで児童を送迎するバスの運転手が人出不足のため確保できないとして、市内全ての小学校でプール授業を中止することを決めたのだ。

そんな中、子どもたちの教育の機会を確保しようという学童クラブの動きを取材した。

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子どもたちのために立ち上がった”学童クラブ”

函館市内の学童クラブ「さんさんさん」。40人の児童が通っている。

待ちに待った夏休み初日、子どもたちが楽しみにしていることがあった。

プールだ。

皆が向かうのは函館市内のプール施設。

児童16人を学童クラブの指導員2人が引率するのは指導員の三田健司さん。

「学校でプールに行けなかったら、みんなで水で遊ぶことができない。ちょっと残念。楽しい時間がなくなってしまう」(学童クラブさんさんさん 三田 健司さん)

函館市の市立小学校では、コロナ禍で中止されていたプール授業が4年ぶりに再開される予定だった。

しかし、バスの運転手不足が原因で、授業は全て中止に。

函館市教育委員会の酒井光史教育指導課長は「子どもたちには大変申し訳ないと思っている」と語る。

これまでプールがない学校の児童は、設置されている学校にバスで移動し授業を受けていた。

しかし、観光需要の復活で人手不足となり、運転手が確保できなかったというのだ。

プールのない学校だけ中止にすると”教育格差”が生じるとして、プール授業は全面中止となってしまった。

「ショックだった。みんなで泳ぎたいから」(函館市の児童)

そこで一肌脱いだのが、三田さんら学童クラブだった。

「水と親しむことは安全性の面や、自分の身を守る上でとても大切。保護者が一緒に行く時間がないという声も聞いているので、学童クラブで一緒に行くことができたらと」(学童クラブさんさんさん 三田 健司さん)

保護者からは安堵の声

「プール授業中止は非常に残念だが、こういった機会に学童クラブが連れて行ってくれるのでその穴埋めになる」(小2男児の保護者)

「何かあったときに役立つし、体力作りの面でも大切なこと。それをやってくれるのは、すごくありがたい」(小1男児の保護者)

プールへ行くのは3年ぶりという子も。夏休みの思い出作りに出発~!

10分ほど歩いて着いたのは函館市民プール。

幼児用のプールや15メートルプールなど、さまざまな設備がそろっている。

長かったコロナ禍が過ぎ、待ちに待ったプール。

泳いだり、潜る練習をしたり、子どもたちは思い思いにプール遊びを満喫した。

「めっちゃ気持ちいい、超気持ちいい。久しぶりだけど気持ちいい」(プール遊びをする児童)

「気持ちいいし、楽しい」(プール遊びをする児童)

久しぶりのプールは1時間で終了。子どもたちの反応は?

「楽しかった。友達にクロールを教えてもらった」(プール遊びを終えた児童)

「来年もプール授業はあってほしい」(プール遊びを終えた児童)

学童クラブさんさんさんの 三田 健司さんは、「子どもたちは1~3年ぶりだったが、生き生きした顔で喜んでいたのでうれしい。学校でもプール授業をやって、たくさん水泳の時間を作ってほしい」と語っていた。

学童クラブでは今後も、子どもたちをプールに連れていく取り組みを続ける予定だ。

北海道文化放送
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