捨てられてしまうペットボトルのふたを使い、世の中にひとつしかないアクセサリー作りに励む女性。SDGsにつながる取り組みとあえて「ごみ」を使う思いに迫った。

“ふた”がまるで天然石のように

長崎市長浦町に2023年5月にオープンした「LUNASTELLA」。里見はるかさん(36)が自分でデザインした衣料品やアクセサリーなどを販売している。

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店内には、イヌがプリントされたTシャツや夏らしい涼しげなアクセサリーなどが並んでいる。実はこのアクセサリーなどは、少し意外な素材を使っている。

素材はペットボトルのふた
素材はペットボトルのふた

里見はるかさん:
なるべくペットボトルのふたというのが分からないように色んな色を混ぜています

この日作っていたのはブレスレットだ。「太陽っぽい感じに作ります」とのことで、赤や黄色、白などのパーツを細かくカット。クッキングシートで包み、アイロンで熱を加えてプレート状にしていきく。

里見はるかさん:
圧をつけながら動かしたらマーブル模様ができてくるんですよね

カットとプレスを何度も繰り返し納得のいくマーブル模様を生み出す。同じ模様には二度と出会えないため見極めが肝心だという。

型にはめUVレジンでコーティングしてUVライトを当てると、キラキラと輝くアクセサリーが完成。まるで天然石のようだ。

里見はるかさん:
ペットボトルのふたなんですと言ったら驚かれて、「こんなになるんだ」と言っていただけると、すごくうれしく思っています

里見さんは廃棄されるもの(ペットボトルのキャップ)に手を加えて新たな製品(アクセサリー)に生まれ変わらせている。

この取り組みは「アップサイクル」と呼ばれ、資源の有効活用やゴミの削減につながると注目されている。

里見はるかさん:
小さいときから海や川が好きでよく行くんですけど、年々ごみが増えていっているという話を子どもたちともしていて。拾ったごみをきれいに洗って自分で切って作っていた

環境問題について考える授業も

里見さんは高校などでアップサイクルを紹介し、環境問題について考える授業を行っている。

里見さん提供
里見さん提供

今後は長崎のまちや海岸で子どもたちや地域の人たちとごみ拾いをしたあと、海洋プラスチックなどでアクセサリーを作るワークショップの開催を計画している。

里見はるかさん:
自分たちの街なので私たちできれいにしていきたいという思いがありますし、楽しみながら環境のことを知ってもらうきっかけになったらなって思います

まちなかの「ごみ」を誰かの「宝物」に変えたい。
長崎をアップデートする里見さんの取り組みはまだ始まったばかりだ。

(テレビ長崎)

テレビ長崎
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