日本で1年間に生産される車は約785万台。その裏で大量に廃棄されているエアバッグの生地を有効活用する動きが盛んになっている。

命を守る素材なだけにわずかな傷や汚れも廃棄の対象に

名古屋市西区の円頓寺本町商店街の中にある雑貨店「Re−S(リーズ)」。

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看板商品はトートバックで、ドアラがプリントされたものもある。

バッグの特徴は…。

豊田合成・経営企画部の山田浩二さん:
自動車のエアバッグの生地からできています

事故が起きた時に衝撃から人を守る、エアバッグが原材料だ。

愛知県清須市に本社があり、エアバッグやハンドルなど自動車部品を製造する豊田合成。日本を走る車の2台に1台は豊田合成のエアバッグというほど、国内トップシェアを誇っている。

豊田合成・経営企画部の山田浩二さん:
皆さまの命をお預かりする部品になりますので、相当数廃棄するという事をしています

少しの欠陥が命に関わるため、わずかな傷や汚れも許されず、結果どうしても廃棄になってしまう生地が多いという。

生地は丈夫なナイロンで、特殊なコーティングによって汚れにくく撥水にも優れている。この素材を活かそうとバッグが作られた。

生地は、岐阜県多治見市の就労継続支援施設に送られる。裁断され、アイロンで折り目を付け縫い合わせていき、トートバッグに仕立てていく。

スタッフA:
特殊な生地なのでアイロンをかけにくかったりとか、待ち針をする時にちょっと苦労します

スタッフB:
滑りやすいので、縫いズレが起こりやすい

丈夫な生地だからこそ、縫い合わせは難しいが、綺麗に縫っていく。内ポケットや持ち手を付け、プリントを施せば完成だ。

最近は消防車のホースを組み合わせたバッグも作るなど、新商品も続々開発中だ。

豊田合成・経営企画部の山田浩二さん:
会社の廃棄物を減らすだけじゃなくて、世の中全体の廃棄物低減に寄与できるような商品開発をしたい

(東海テレビ)

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