世界中が新型コロナウイルスという敵と闘い始めて半年が経過しようとしている。
第二波への警戒を強めながら、人々はコロナと共に生きる『新しい日常』へ進み始めた。
世界中で取材を続ける各国のFNN特派員が、世界8ヶ国11都市の今をリポートする。

▼イギリス 309,455 人(各国の感染者数を緑で表示)

ロンドン小堀孝政特派員
南野選手が所属するサッカープレミアリーグのリバプール。先ほど優勝が決まり、本拠地のここ、アンフィールドには多くのサポーターが歓喜の声を上げています。無観客試合のため、サポーターは自宅で観戦するしかありませんが、優勝の喜びを抑えきれない人々が、家を飛び出してきました。警察官もきましたが、この盛り上がり止められそうにありません。

この記事の画像(10枚)

▼フランス:197,885人

パリ石井梨奈恵特派員
7月6日の再開を前に、ルーブル美術館が感染対策をメディアに公開しました。ルーブル美術館で最も人気の高い作品のひとつ、「モナリザ」の前には、人の密集を避けるための工夫がされています。また、美術館の中で来館者同士が接触しないようにするため、見学ルートが指示されています。ルーブル美術館がメディアの取材を受けることは稀で、観光客を再び呼び戻そうという強い意欲が感じられます。

▼アメリカ:2,452,567人

ワシントン瀬島隆太郎特派員
市内の人気博物館の一つ、「国際スパイ博物館」が他に先駆けて再開しました。映画「007」のボンドカーが出迎える館内に入場すると、スパイとしてのIDとミッションが与えられ見学が始まります。体験型のアトラクションでは、自分専用のタッチペンを使って観覧するなどウイルス対策も万全です。将来、新型コロナウイルスをめぐるスパイ合戦が、展示に加わる日が来るかも知れません。

「国際スパイ博物館」ではボンドカーがお出迎え
「国際スパイ博物館」ではボンドカーがお出迎え

ニューヨーク上野浩之特派員
経済再開第2段階に入ったニューヨーク市では、ようやくテラス席など店の外での外食が認められ、徐々に活気が戻ってきました。そんな中、外出自粛中のアメリカ各州でのデリバリーの検索ランキングが公表されました。お寿司やナチョス、フォーなど様々な料理がランクインしていますが、ここニューヨークで1位となったのはこちらのチーズピザ。シンプルですが、病みつきになる一品です。

ロサンゼルス益野智行特派員
ここへ来てカリフォルニア州は1日の感染者が7000人超えと過去最悪を更新しています。そんな中、営業を再開したばかりのこのフィットネスジムでは、利用者が透明な仕切りの中でトレーニングをしています。これは全てオーナー夫婦がシャワーカーテンで手作りしたものです。3カ月間の休業で経営は壊滅的だということで、オーナーは「これ以上休業したらもうもたない、でもなんとか安全を守りたいという苦悩の中で考えだした」と話していました。

オーナー夫妻がシャワーカーテンで手作りした仕切りで
オーナー夫妻がシャワーカーテンで手作りした仕切りで

▼中国:84,687人

北京岩佐雄人特派員
こちら中国南部・広西チワン族自治区のご当地麺「タニシ麺」です。タニシで出汁を取っていて
かなり独特の匂いは中国の人でも好き嫌いが分かれるそうなんですが、コロナで外出・外食が制限されるなか家でインスタントのタニシ麺をつくってネットで話題にする若者が続出。売り上げが3倍になるメーカーも出るなど思わぬ大ブレイクとなっています。

タニシで出汁をとる「タニシ麺」の売上げが3倍に!
タニシで出汁をとる「タニシ麺」の売上げが3倍に!

上海城戸隆宏特派員
こちらのディズニー系の英語スクール。国内で20以上の教室を運営していましたが、営業継続を断念しました。学校側は、オンライン授業を好む傾向が強まる中で新型コロナウイルスが流行し、保護者が直接対面式の授業をためらうようになったとしています。5月に上海ディズニーランドが再開したのとは対照的な営業休止ですが、このような塾はこれからも潰れるだろう、と悲観的な声は少なくありません。

▼トルコ:193,115 人

イスタンブール清水康彦特派員
現在、夕方の帰宅ラッシュの時間帯ですが、高速道路ではご覧のように渋滞が始まっています。
トルコではコロナへの感染予防からマイカーで移動したい人が増え、自動車販売が好調です。
金融機関も低金利の自動車ローンを次々に打ち出しています。6月の新車販売台数は前の年の同じ月に比べて40%増える見通しで、しばらくは供給不足が続きそうです。

イスタンブールの渋滞 自動車販売が好調に
イスタンブールの渋滞 自動車販売が好調に

▼タイ:3,158人

バンコク佐々木亮特派員
私はいま、自然豊かなタイのカオヤイ国立公園に来ています。新型コロナで、国立公園は3ヶ月に渡って閉鎖され、いまも観光客は立ち入れません。一方で、人がいなくなったことで、アッ、ここにも鹿が出てきていますが、各地で野生動物が多く姿を見せるようになりました。タイ当局は、7月から入場者数を制限して国立公園を再開する方針で、感染防止と環境保護を両立しながら観光を促進していきたい考えです。

各地で野生動物が姿を見せるようになった
各地で野生動物が姿を見せるようになった

▼韓国:12,563 人

ソウル川崎健太特派員
韓国では外出自粛要請が続いていますが1日の感染者は30人から40人と減少の兆しが見えてきません。ソウル市長は、「7月には1日の感染者が800人に達する恐れがある」と危機感を露わにした上で今後、ソウルで集中的に感染者が出れば感染ピーク時の3月と同じ「最も厳しいレベルの行動制限を課す」との方針を示しました。この「忠告」の後も市民の警戒心は高まっておらず首都圏での感染爆発が懸念されています。

▼ロシア:613,148 人

モスクワ関根弘貴特派員
憲法改正の全国投票を前に25日から、期日前投票が始まりました。今も一日の新規感染者が7000人と感染拡大が続く中、投票所では有権者に、こちらのペンが入ったセットを配って、他の人が使ったペンを使わないようにするなど対策を取っています。改憲はプーチン大統領が最長で2036年まで続投できるようにするもので、当局は投票率を少しでも上げようと躍起になっています。

(世界の感染者数:ジョンズホプキンズ大学調べ)

【取材:FNN海外特派員取材班】

国際取材部
国際取材部



世界では今何が起きているのか――ワシントン、ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドン、パリ、モスクワ、イスタンブール、北京、上海、ソウル、バンコクのFNN11支局を拠点に、国際情勢や各国の事件・事故、政治、経済、社会問題から文化・エンタメまで海外の最新ニュースをお届けします。