富山・砺波市庄川町で、33年ごとに弁財天社の御神体を公開する大祭が、7月30日までの3日間にわたり繰り広げられた。弁財天社のご神体は庄川流域の治水の神とされ、普段直接拝むことができないことから、大祭には多くの地元住民が訪れた。
700年前から続く「御開扉大祭」
弁財天社があるのは、庄川にかかる雄神橋のたもとの森の中。

弁財天社のご神体は女性の神様で、女性の厄年と言われる33年に一度公開するお祭り、「御開扉(ごかいひ)大祭」を約700年前から続けてきた。

前回行われたのは、1990年。庄川流域地区の数多くの奉納品を担いで練り歩く「やらやら」や、獅子舞が奉納された。そして御神体が一般公開され、その姿を一目見ようと大勢の人たちが参拝に訪れていた。
あれから33年がたった今年は、どんな大祭になるのだろうか。

大祭が始まる2日前、地元の庄地区では住民が集まり、大祭で使われる「わらじ」を編む作業に追われていた。参加者は80人。全員が履く分を作った。

住民:
説明を何回聞いても、よく分かりませんでした
住民:
気持ちが高ぶる感じ

住民:
記憶に残るような、獅子や祭りになればいいと思う
大祭に欠かせないのが獅子舞だ。庄青年会会長の加口翔太さんは、庄らしい獅子舞を披露したいと考えていた。

庄青年会・加口翔太会長:
一つの形にこだわる必要もない。我々は我々の気持ちで獅子舞を奉納することが大切。形にはあまりとらわれずに、みんなで楽しんでやりたい
天女に獅子舞…迎えた大祭初日
7月28日の大祭初日。雄神神社に祭られている弁財天社の御神体を、33年ぶりに弁財天社へ移す儀式が行われ大祭の準備が整った。

大祭二日目の午前8時。庄地区の行列が出発した。

庄青年会・加口翔太会長:
33年で一番いい獅子舞ができるんじゃないでしょうか

わらじを履いた「やらやら」隊に七福神。そして…。

天女:
13人の天女です
ーー平均年齢は?

天女:
平均年齢は70歳

高齢化が進む庄地区の皆さんだが、弁財天社横の特設広場では、女性グループによる天女の舞。

奉納品を担いで歩く「やらやら」、そして自慢の獅子舞を奉納した。

庄青年会・加口翔太会長:
大成功でいいと思います。本当に100点のお祭り、獅子舞ができたと思う

33年ぶりの御開扉大祭。その御神体を一目見ようと朝早くから、大勢の人々が集まった。

御神体の撮影はできなかったが、御神体を模した御真像(ごしんぞう)で姿を見ることはできる。

参拝客:
もう次はたぶん見られないと思って来たので、見られてよかった

参拝客:
茶色くて細長い神様でした
参拝客:
何かすごいオーラがあった
雄神神社・藤井秀嗣宮司:
神社の神様は普段一切見られない。拝めない。そういう意味では直接拝見することによって、心の片隅にその姿が残って、もう少し頑張ろうという気持ちになってもらえればいいと思う
次の開催は33年後の2056年
7月30日の夕方。

すべての祭事が終わり、御神体が雄神神社へ戻された。

庄川流域の住民の、これから33年間、庄川が氾濫しないように、砺波平野が穏やかでありますようにという願いが込められた。

雄神神社・藤井秀嗣宮司:
33年は結構長いスパンなので、私の息子に伝えて、ことし行ったことができるように努力をしてもらおうと思う
御開扉大祭は、今回紹介した庄地区をはじめ庄川流域の17の地区が参加して行われた。次は33年後、2056年に行われる。
(富山テレビ)