新型コロナウイルスによる外出自粛の期間中、全国の子どもたちがオンラインで作詞作曲した歌が話題を呼んでいる。
題名は「いつか君の町で」。
集まることが難しい中、「いつかみんなで会いたい」という子どもたちの思いが込められている。
休校中の子どもたちの集い場「カタリバオンライン」
モニター越しに子どもたちが合唱。
歌詞やメロディなど、すべて子どもたちが考えたもの。
新型コロナウイルスの影響で、学校が休校していたときの思いを歌にした。
子どもたちが集まったのは、「カタリバオンライン」というプロジェクト。
東日本大震災をきっかけに、被災地の学習支援などを行ってきた「NPO法人カタリバ」が、休校中の子どもたちが集まれる場所を作ろうと、3月2日にオンラインで開始した。
NPO法人カタリバ 瀬川知孝・マネージャー:
被災とは少し違うけども、コロナウイルス下において、学校に行けなくても子どもたちが安心安全につながるオンラインの居場所を作りたいと思い、双方向的にコミュニケーションがとれる、「カタリバオンライン」というものを急きょ立ち上げることになった
1日の出来事を語り合う「サークルタイム」や、工作や料理、ダンスなど自分の好きなことを楽しむ「クラブ活動」などのスケジュールが組まれ、休校が終わった今も続けられている。
クラブ活動の顧問を務めている佐藤敏郎さん。
この日は俳句教室が行われていた。
カタリバオンライン顧問 佐藤敏郎さん:
発表会をしましょうか。最初に発表したい人は?
子どもたち:
4つできました。ひとつは「あついなつ エアコンこわれて たいへんだ」です
毎週、クラブ活動を指導している佐藤さん。
カタリバオンラインのテーマソングが生まれた、音楽クラブの顧問も務めている。
子どもたちから自主的に
カタリバオンライン顧問 佐藤敏郎さん:
歌を作ろうという話が子どもたちから持ち上がって、最初は短い遊び歌みたいなものを作るのかなと思って、どんな言葉を歌に入れたいかと言ったら、パソコンの向こうの子どもたちの手がみんな上がった。「集まれないけど集まろう」とか、「世界中が止まっているけど、毎日、朝は来るよね」とか
タイトルは「いつか君の町で」。
子どもたちが今の気持ちを言葉にし、香川県に住む中学生が曲を、東京の小学生が伴奏をつけて、みんなで歌った。
カタリバオンライン顧問 佐藤敏郎さん:
今は、オンラインがきっかけで、コロナがきっかけで、全国の知らなかった友達が仲間になった。いつか大人になったらかもしれないけれど、街角で会えたらすてきだなと
曲作りに参加したさくらんぼさん:
みんな歌詞を出して、みんなそれぞれ曲を作った。最後の「そしていつか君の町で会えたらいいな」のところが好き
子どもたちの絆が曲を生んだ
直接は会うことができなくても、オンラインでつながった"子どもたちの絆”が「いつか君の町で」を生んだ。
カタリバオンライン顧問 佐藤敏郎さん:
カタリバオンラインに参加していない子どもたちや人々もつながれたのではないかなと(思う)。子どもたちにお礼を言った。ありがとうって
「いつか君の町で」
世界中が止まっても
いつものように朝がきて
どんどん今日が生まれていく
春に見つけたごきげんな場所
集まれないけど集まろうよ
はなれていても感じ合える
約束しよう やさしい気持ち
どこにいても心をつなげたい
そしていつか
君の町で会えたらいいな
ぐーたらするのもいいけど
ひとりぼっちじゃつまらない
あしたは何を話そうか
君と出会ったすてきな場所
集まれないけど集まろうよ
はなれていても支え合える
約束しよう 負けない気持ち
今はきっと大切なときだろう
そしていつか
君の町で会えたらいいな
(仙台放送)