26日、滋賀県長浜市にある屋外プールで小学1年の田中大翔くん(6)が溺れ、意識不明の状態で発見。病院に搬送されましたが、その後、死亡が確認されました。

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学童保育中に起きたプール事故。現場に居合わせた園長の会見から、疑問点が浮かび上がってきました。

「泳げるか把握せず」学童保育の園長が会見

プール活動に参加したのは、小学生45人、さらに職員4人が同行していました。

職員らは、監視役として、プールの中に2人、プールサイドに2人が配置されていました。

午後1時、子供たちがプールに入ってすぐの出来事だったといいます。

学童保育の園長:
子供が(午後)1時8分に、1名の子どもの異変に気づいております。プールのレーンのところに、つながっているレーンの浮いているひものところに、子供がかぶさっておりました。

運営事業者によると、プールに入ってから約8分後。一緒にプールにいた児童が大翔くんの異変に気づき、すぐに職員がかけつけたといいます。

Q. 大翔くんが発見された場所は、どのくらいの水深ですか?
学童保育の園長:

1.2mです。(田中くんの身長は)120cm程度です。

現場には、水深60cmのプールもありましたが、大翔くんは、身長とほぼ同じ、水深1.1mから1.3mのプールで遊んでいました。

さらに、園長からは驚きの発言が。

学童保育の園長:
1年生ですので、的確にこの子が泳げる、この子が泳げないっていうところは、把握はできておりませんでした。

Q泳げない子は足のつくところで遊ばせるべきでは?
学童保育の園長:

おっしゃる通りで、あざいスポーツさんのプールに関しては、浮輪とかも持参してもいいので、そこは“個人意思”に委ねておりました。浮輪を持ってきている子もいるし、持ってきてない子もいる状況でした。

この学童では今年初めてのプールで、小学1年生の大翔くんが泳げるかどうかの把握は、できていなかったというのです。

Q.以前に溺れて救助した事例はありますか?
学童保育の園長:

そのことがなかったのが…、今回の…一番の慢心だと思っています。

職員4人が監視する中でなぜ事故は起きたのか?

プールに入ってから、わずか8分後に起きてしまった事故。
水難学会の斎藤秀俊理事によると、5歳から7歳ぐらいの子供というのは、遊泳開始直後が最も事故が起こりやすく、周囲が気をつけなくてはいけない時間帯だといいます。

さらに、4人の職員が同行していたにもかかわらず、事故が起きてしまったことについては、「監視人数は問題なかった」とした上でこう話します。

水難学会 斎藤秀俊理事:
監視人数に問題はなかったと思いますが、コロナ禍の影響で初めて泳ぐ、もしくは泳力が育っていない児童もいた可能性が高いので、より慎重な監視が必要だったと思います。

元榮 太一郎弁護士
元榮 太一郎弁護士

めざまし8のコメンテーターでもある、弁護士の元榮太一郎氏は、自身の経験を踏まえた上で、現場に居合わせた「子供たちのケア」も重要だと話します。

元榮 太一郎弁護士:
私自身、実は小学校の時にこういうような現場に直面したことがありまして。
夏のプールの開放日に行ったところ、女子がプールの底に沈んでいて、救急車で運ばれたんですが、残念ながら亡くなってしまったということがあって、非常にショックを受けた。
初めて人の死に直面したと、そういうような出来事だったので、今回もここに居合わせた児童たちの心のケアも非常に大事だと思いますし、それこそAIとか色々な技術も発展してきているので、監視カメラでちょっとでも動きがおかしければ、職員にアラートがいくとか。そういうことも含めて、二度とこういうことが起こらないようにしてほしいと思います。

(「めざまし8」 7月27日放送より)