松野官房長官は23日、台湾に最も近い日本最西端の沖縄・与那国島を訪れ、台湾有事の際の住民避難などについて与那国町長と意見交換するとともに、島の港湾施設を視察した。
有事の際の「国民保護」を担当する松野長官は、22日から先島諸島をら訪問していて、23日に、日本最西端の与那国島を訪問した。
与那国島は台湾から海を挟んでわずか100キロメートル余りで、中国が台湾侵攻に踏み切った場合の影響が懸念されている。
与那国町役場を訪れた松野長官は、糸数町長らと会談し、台湾有事を念頭にした住民の安全確保について意見交換した。
会談で松野長官は、「日本を取り巻く安全保障環境が厳しくなり、複雑化している中、国民保護に対する関心、重要性は高まっている」と語った。その上で、住民避難について、「与那国をはじめとする離島の避難の困難性という問題もある」と指摘し、「地域の皆さんとしっかり意見交換をして、緊密に連携をとりながら進めていきたい」と述べた。
一方、糸数町長は「有事になった場合に町民の避難をどうするか頭を離れない」として、有事の際に住民が安全を確保するためのシェルターの設置などについて支援を求めた。
また、ベトナム戦争の際、「サイゴン(現在のホーチミン)が陥落した後、小さな船にボートピープルが満載した状態で、与那国まで漂着したということもある」などと、台湾からの避難民の受け入れを巡る不安も述べた。
松野長官は会談後、島の北部に位置する祖納港(そないこう)を視察し、港湾設備などについて説明を受けた。
24日には、竹富町長との会談が予定されている。