三重・津市の小学生の兄弟が、近所の山で偶然見つけた中世のつぼなどの出土品が、19日から一般公開されている。このつぼは平安時代の「タイムカプセル」だった可能性が出てきた。
つぼといっしょに焼き物や和鏡が発見される
津市にある埋蔵文化財センターで19日から始まった特別展示。ショーケースの中に飾られていたのは、高さ40センチほどのつぼに、折り曲げられた鉄の刀や、菊などが描かれた和鏡など中世の遺物5点だ。

これらを見つけたのは、津市に住む伊藤瑚太郎くん(12)と弟の展梧くん(10)。

大発見をしたのは、木々がうっそうと茂った急斜面が立ちはだかる獣道の先だった。2022年1月、近所の山で遊んでいたところ、不自然に置かれていた石の下からつぼが出てきたという。

兄・伊藤瑚太郎くん:
こういうのを見つけましたという事実が自分の力にもなるので、それも自分にとって宝なのかなと思います
弟・伊藤展梧くん:
これヤバいやつちゃうんかって言って

津市が調査を進めると、その正体が徐々に明らかに。
津市教育委員会生涯学習課の竹田憲治さん:
1100年代の半ばから後半ぐらいのものになります。つぼの形とか模様などから、その頃のものであると
つぼには取っ手のようなものがついていた跡などがあり、平安時代末期に渥美半島で作られたとみられることがわかった。

竹田憲治さん:
お釈迦(しゃか)様の教えが正しく伝わるように、お経の巻物なんかをつぼとかかめに入れて、山の中に埋めたりとかします
つぼが作られたとみられる1100年代は、仏教の教えが廃れ始めると考える「末法思想」が広まっていた時代。
つぼの他に、当時高級品だった中国の焼き物や和鏡が見つかり、地元の有力者が後世に釈迦の教えを残すために作った「経塚」の可能性が高いという。
竹田憲治さん:
平たく言うと、タイムカプセルみたいなものになるかなと思います
一般公開が始まった19日、800年以上前の「タイムカプセル」を発見した2人が学校終わりに駆け付けた。

弟・伊藤展梧くん:
(つぼは)前と変わらないけど、やっぱりいつ見ても立派。掘り起こしたっていうことが自分の思い出になるんじゃないかな
兄・伊藤瑚太郎くん:
(このつぼが)後世に大事なことを伝えていくというものだったら、すごいなと
また、展梧くんは前日に新たな発見をしたという。
弟・伊藤展梧くん:
自分が見つけた青いアマガエル。調べたら10万分の1の確率とか

近所ではかなり珍しい青いアマガエル。兄弟の好奇心は、また新たな大発見につながるかもしれない。
(東海テレビ)