バスやトラックのドライバーを巡って、運転手不足が大きな社会問題になりつつある。

現役のトラックドライバーはこの現状をどう受けとめているのだろうか。

運転手不足に悲痛な声

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「きょうの行程はこのドライバーさんで、となると補充要員がいない。人手不足というのと、体調が悪い、きょうは熱があるとなっても、休みづらい部分は否めない」(トラック運転手・40代)

「若い人たちが車に興味がないということもあるし、結構不規則だし、荷下ろし先で泊まったりして車中泊がどうしてもある」(トラック運転手・30代)

現役のトラックドライバーから上がった悲痛な声。物流事情に詳しい専門家に聞いた。

流通経済大学 矢野 裕児 教授は「なかなか若い人がなりたがらない、給料が比較的安い、そして労働時間が長い。若い人にとって魅力ある職業になっていないことが背景にある」と語る。

過酷な労働環境を見直すため、政府は2024年4月からトラック運転手の時間外労働時間を規制する。

しかし、これには様々な問題が。いわゆる「2024年問題」だ。

2024年問題とは?

「2024年問題といわれているのは、いわゆる時間外労働の上限規制。労働時間が短くなると収入が減ることなどが問題になっている」(流通経済大学 矢野 裕児 教授)

トラックドライバーの数はピークの1995年に約98万人いたが、2015年は77万人と2割減少。

2025年には60万人を切るともいわれている。

今回の規制でもし収入が減ることになれば、別の仕事に転職する人が増える可能性もあり、ますます、ドライバー不足になる恐れも。

しかし、専門家は安全面を考えるとやむを得ないという。

「ドライバーの平均年齢が50歳位になっていて非常に年齢が高くなっている。労働環境がきちんと保たれていないと、どうしてもその影響がでかねない。労働環境の整備は、安全面で非常に重要なポイントだ」(流通経済大学 矢野 裕児 教授)

求められる安全確保と待遇改善。一方で深刻化する人手不足。

物流業界は、構造的な問題を抱えている。

北海道文化放送
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