札幌市中央区・狸小路3丁目の再開発ビル「moyuk SAPPORO」が、8月20日で開業1か月を迎えた。
人の流れはどう変化し、街はどう変わっていくのだろうか?
連日100人を超える大行列 人気水族館『AOAO SAPPORO』
「moyuk SAPPORO」の4階から6階に入る都市型水族館「AOAO SAPPORO」。

夏休み中とあって家族連れに大人気で、開業から毎朝行列ができているのだ。

来場者からは「キタイワトビペンギンがいっぱいいてすごかった。意外と大きかった」「ペンギンが『ガー』と、おじさんみたいに鳴くのがおもしろかった」などの声が。

「moyuk SAPPORO」が開業したのは7月20日。
地下には743台の駐輪場を備え、地下街のポールタウンと直結している。

駅前通と狸小路の交差点に立つ、アクセス抜群の複合商業施設だ。
開業から一カ月、にぎわっているのは水族館だけではない。
グルメ&休憩スペースも充実
大通地区とススキノ地区のちょうど中間に位置することから、待ち合せや買物途中の休憩スペースとして利用する人が多い。

「休憩スペースが気持ちいいと思い、写真を撮っていた。今までは札幌駅前にいろいろスポットがあったけれど、『moyuk SAPPORO』や、今後ススキノ地区にもビルができるから楽しい」(利用者)

休憩がてら立ち寄る人が多いのが「Rain coffee stand モユク」。
770円で1日何杯でもコーヒーが飲み放題の「ワンデーコーヒー」が人気だ。

さらに、お土産にと菓子類を購入する人も多いようだ。
Rain coffee stand モユク・長里圭悟店長によると「人気のパウンドケーキや焼き菓子を1~2個買う人もたくさんいる。手土産用に数個入ったギフトボックスを利用する人も多い」という。

地下2階の飲食店街には8店舗が入っているが、特に人気なのが、打ち立ての北海道産そばが楽しめる「豆皿料理・酒 そばまえ」。
「だしの匂いがして、とても店に入りたいと思った。交通のアクセスがいいと、なおさら入りやすい」(来店客)

約90席と座席数が多く、家族連れからお酒を楽しむ人まで客層はさまざまだという。
そばまえ・南至店長は「おかげさまで毎日満席。場所は地下街から直結なのですごく来やすいと思う」と語る。
「moyuk SAPPORO」の開業によって、今後、街はどう変わって行くのだろうか。
変わる人の流れ 街の未来は
街歩き研究家・和田哲さんは「狸小路の地位が今後高まり、狸小路というエリア名として確立していくのではないか。人の流れが『moyuk SAPPORO』を介して回遊するような流れが活発になる」と話す。

これまでの狸小路はどちらかというとインバウンドなど、観光客が多いという印象だが、それにも変化が見られる。

「JR札幌駅周辺では新幹線延伸工事で商店街が一時的に閉鎖されたり、8月末で商業施設『エスタ』も閉館したりする。いまJR札幌駅周辺に行っている若者が”行き場所”を求めているところ。ちょうどその受け皿に、狸小路地区がなっていくのではないか」(街歩き研究家・和田哲さん)
2023年に狸小路商店街は150周年を迎えた。
「moyuk SAPPORO」の役割は大きくなっていきそうだ。