うなぎを一切使わずに、大豆タンパクなどの植物由来の材料で、うなぎの蒲焼を再現したという商品を日清食品が発売した。商品は、わずか1分で完売したという。

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日清食品が発売した「プラントベースうなぎ 謎うなぎ」は、うなぎなど動物由来の原料を使わず、植物由来の材料を使って約4年を費やして開発されたという。

白身は粒状にした大豆タンパクで食感を再現し、皮は、粉末にした竹炭を使うことで、本物そっくりな見た目を再現している。

日清食品では、カップヌードルで使われる大豆ベースの具材「謎肉」の加工で培った技術を応用し、商品の開発に活かしたという。

「謎うなぎ」の申し込みは、1人1回2セットまでで、価格は1セット1500円。1000セットの限定販売だった。

18日からオンラインストアで販売が開始されたが、約1分で完売したという。

シーフードの代替食市場は成長の兆し

「Live News α」では、マーケティングアナリストの渡辺広明さんに話を聞いた。

堤 礼実 キャスター:
この「謎うなぎ」、どこまで本物に近いのか、気になりますよね

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
2023年は7月30日の日曜日が「土用の丑の日」となっていて、スーパーやコンビニがうなぎ商戦を展開しているが、小売物価統計によると、この20年で価格は2倍以上に値上がりしている。
今回の「謎うなぎ」は、家庭で手軽にうなぎを楽しめる代替食として、成長する可能性があるように思う。

堤 礼実 キャスター:
試しに食べてみたいという方、きっと多いですよね

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
天然物のうなぎは価格が高く、うなぎの生態は謎が多く、完全養殖も難しいため、生産量の回復は難しいとされている。そのため代替食としての「謎うなぎ」に期待したい。
代替食市場は、肉を中心に市場が形成されているが、「謎うなぎ」のようなシーフード分野はこれから成長が見込まれており、続々と新しい商品が登場している

堤 礼実 キャスター:
私たちが手にとれるシーフードの代替商品には、どのようなものがあるのでしょうか

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
例えば、セブン‐イレブンは、「みらいデリ」という環境負荷の低減をうたった商品シリーズの展開を開始している。
ここには植物由来の原料から作った「代替ツナ」入りのおにぎりがあり、食べて美味しく、価格も151円と手軽なため、消費者に支持されていく可能性があるように思う。
さらに、白身魚のフライなど、さまざまな代替シーフードが発売されており、活性化する市場の入り口となっている

代替食のゲームチェンジャーとなるか

堤 礼実 キャスター:
代替食品の普及を加速させるためのポイントは。

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
代替食品であっても、美味しさや価格で劣るようだとなかなか広まっていかないように思う。特に日本の消費者は、この部分については譲らないはず。
今回「謎うなぎ」の発売を開始した日清食品は、かつて即席麺で味と価格の両立を図り、世界の食のスタイルを変えている。
代替食品の分野でも、ゲームチェンジを起こし、世界のトップランナーとなることを期待したい

堤 礼実 キャスター:
どんな味、そして食感なのか、個人的にはとても興味があります。日本の食文化を守るためにも、持続可能な食糧として、こうした選択も広がっていくといいですね

(「Live News α」7月18日放送分より)

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