大分県内を襲った7月10日の記録的な大雨による被害が各地で明らかになっている。「小鹿田焼の里」として知られる日田市の皿山集落にも被害が…。国の重要無形文化財に指定されている小鹿田焼の窯元がある集落や校舎が被災し臨時休校が続いていた小学校の現状を取材した。
「小鹿田焼の里」に深刻な被害
「小鹿田焼の里」として知られる日田市小野地区の皿山集落は、国の重要無形文化財に指定されている小鹿田焼の窯元が9軒ある。

集落は大雨の猛威にさらされ、住人が撮影した7月10日の映像には川が濁流となっている様子が記録されていた。

集落のシンボル唐臼が被災
小屋の中にあった陶器を作るための唐臼は、土砂が流れ込んだ影響で外に押し出されてしまった。小鹿田焼の窯元・柳瀬美由紀さんは「(唐臼は)最初は3つあったが、かろうじてつだけ残った」と話す。

焼き物に使う土を砕く唐臼は集落のシンボルで、国の重要文化的景観の構成要素にもなっていたが、日田市によると集落にある39の唐臼全てが被災。窯元の柳瀬さんの唐臼は3つのうち1つが流され、小屋には大量の土砂が堆積していた。

10月の小鹿田焼民陶祭も中止
ことし10月に予定されていた小鹿田焼民陶祭も中止が決まった。
小鹿田焼の窯元・柳瀬裕之さんは「まずは自分でやれることからやって、あとはボランティアに来てもらえればありがたい」と話す。

校舎が被災し公民館で授業再開
大雨の影響で7月10日から臨時休校が続いていた日田市の小野小学校では、18日から地元の公民館を使って授業が再開された。校舎の床下にも水や土砂が溜まっていて、まだ校舎は使えない。

「みんな大丈夫かなと心配な気持ちが今までずっと続いていたが、きょう、みんなの元気な挨拶をきいて少しほっとしている」(小野小学校 浦塚雄介校長)

22人の児童全員が出席し、同じ部屋の中で学年ごとに別れて授業が行われていた。
児童は「久しぶりに同級生や友達と会えてとてもうれしい」と話す。公民館での授業は20日の終業式まで行われる。

(テレビ大分)