野菜が育たず、出荷量が減っている。

この秋、家計への影響はどうなっているのか。

夏の暑さが食卓へ影響

連続真夏日44日を記録した2023年の北海道。

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札幌市では8月下旬になっても猛暑日を記録するなど、とにかく暑い夏だった。

この暑さが秋になっても影響を及ぼしている。

札幌市の隣、江別市の佐藤農園で収穫しているのは特産のブロッコリー。

猛暑で“規格外の野菜”急増

収穫時期は6月から10月。

まさに今が旬なのだが…

「色が出ていない。黄色っぽい。普通もっと緑色。あと高温障害で形が悪くなってる」(佐藤農園 佐藤 博孝さん)

通常通り育ったブロッコリーと育ちの悪いブロッコリーは比べると一目瞭然だ。

ブロッコリーは苗を植えてから収穫まで3か月を要する。

生育に適した気温は20度から25度くらいだが、現在収穫しているものはまさに暑い時期に育ったもの。

猛暑の影響がハッキリ出ている。

暑さによる生育不良や病気…収穫量は激減

「病気がついている。黒い部分。これがすごく出ている。こういうのものは出荷もできない」(佐藤農園 佐藤 博孝さん)

実の部分に黒い斑点ができ、腐らせる病気だ。

これも2022年まではあまり見かけなかったという。

暑さによる生育不良や病気で、現在は例年の5分の1しか収穫できていない。

人件費もかかるため、2023年は赤字を覚悟している。

全国的に収穫が減っている

こちらは主に江別市の野菜100種類以上が集まる直売所。

7月までは野菜が山積みだったが、8月以降は激減している。

「レタスが少し復活してきた。本来はもっと山積みだが、物が少ないので広げて置いている」(のっぽろ野菜直売所 能藤義雄店長)

例年ならまだまだ出荷されているトマトも…

「2022年は端から端までトマトで真っ赤だった。2023年は、午後1時を過ぎたら棚がガラガラ。それだけ物がない」(のっぽろ野菜直売所 能藤義雄店長)

「前は昼も在庫があったが、今は昼になったら本当にない」(買い物客)

他にもキュウリ、ホウレンソウやコマツナといった葉物野菜など、様々な野菜の収穫が減っているが、企業努力で価格は据え置いている。

札幌市北区の青果店。

北海道産の野菜を中心に扱っている、道外から入荷している野菜はどうなっているのか。

「北海道産の大根が干ばつの影響でなかなかとれない状況だったので、千葉県産の大根を使っているが猛暑の影響で北海道に着いた時には葉が枯れたり溶けていたりする。葉をカットした状態で売っている」 (八百丸 山口 鉄平さん)

東北から九州に至るまで北海道以上に暑かった2023年は、北海道産の野菜以上に収穫できていないという。

野菜だけではなく果物も…

「この山梨県産の巨峰ひと粒ふた粒焼けが入っている状態が結構多く、本来ならビシッと粒がついているが、カットして売ってる」(八百丸 山口 鉄平さん)

店により価格高騰も…家計に直撃

大根や果物もダメージがある分、価格は据え置きにしている。

北海道のみならず全国的に収穫が減っている野菜。

店によっては価格も高騰しているため、この秋の家計に直撃しそうだ。

北海道文化放送
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