子どもがかかりやすい夏風邪の「ヘルパンギーナ」の感染が拡大する中、長野市の「病児保育」の施設は利用者が増加、申し込みは去年の2倍以上だという。施設側は細心の注意を払いながら受け入れている。

子どもの夏風邪「感染拡大」

夢中になって遊ぶ1歳9カ月の小林蓮くん。元気そうに見えるが、4日前の夕方、発熱して病院で「ヘルパンギーナ」と診断された。

長野市の「みらいく早苗町 おひさま」。体調を崩し保育園などに行けない子どもを預かる「病児保育」の施設だ。

1歳から未就学児までが対象で定員は4人。看護師、保育士の資格を持った職員2人が対応している。

母親・小林香織さん 蓮くん
母親・小林香織さん 蓮くん
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申し込みは去年の2倍以上

蓮くんの両親は共働きで平日、体調が悪いときに利用しているという。

母親は「主人の祖母も仕事をしているため、急にお願いするのは難しい」と話す。

保護者にとってありがたい施設だが、新型コロナウイルスの流行中は、自宅療養が原則だったため利用者は減少していた。

感染法上の位置づけが5類に引き下げられた5月以降、増加。さらに最近は申し込みが急増している。

みらいく早苗町 おひさま・中村真希子さん:
最近、夏風邪のヘルパンギーナとかRSウイルスがはやっていて、問い合わせをいただいた皆さんを受けることができない日もあるほど。利用したいとお申し込みが(去年の)倍以上増えている

みらいく早苗町 おひさま・中村真希子さん
みらいく早苗町 おひさま・中村真希子さん

細心の注意を払い受け入れ

子どもがかかりやすい夏風邪「ヘルパンギーナ」。7月2日までの1週間の1医療機関当たりの患者数は警報レベルの「6」を超え、さらに次の1週間では9.72人と近年では最多の水準となっている。

施設側も細心の注意を払いながら対応している。施設には2つの部屋があり、症状や病気によっては別々の部屋で過ごす。

ヘルパンギーナ感染者数(定点あたり) 長野県の発表
ヘルパンギーナ感染者数(定点あたり) 長野県の発表

ヘルパンギーナは「アルコール」が効かないということもあり、おもちゃなどの消毒は「次亜塩素酸ナトリウム」を使用する。

みらいく早苗町 おひさま・中村真希子さん:
利用される方、いろんな病名の人がいるので、その子が使ったおもちゃを次の日、別の子が使うこともあるので、しっかり消毒とか部屋の掃除は気を付けてやっています

「次亜塩素酸ナトリウム」で消毒
「次亜塩素酸ナトリウム」で消毒

まだまだ少ない「病児保育」施設

保護者の味方「病児保育」。長野市内では企業や病院併設型も含め現在7施設あるが、まだまだ少ないという。

みらいく早苗町 おひさま・中村真希子さん:
親御さんも就労の確保や安心して働ける場所として、もっと数が増えたり、利用される人も増えたらいいなと思います

「みらいく早苗町 おひさま」は事前登録が必要だが医師の診察があれば、電話かインターネットで予約ができ、空き状況によって当日の予約も可能だ。

みらいく早苗町 おひさま(長野市)
みらいく早苗町 おひさま(長野市)

(長野放送)

長野放送
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