秋田市の秋田公立美術大学の開学10周年を祝う式典が7日開かれ、芸術分野の一層の発展に向けて新たな一歩を踏み出した。
スタートにはドタバタ劇も…
あきた芸術劇場ミルハスの大ホールで開かれた、秋田市の秋田公立美術大学開学10周年を記念する式典。

舞踊と絵画を交えたパフォーマンスが披露された後、北郷悟学長があいさつした。

秋田公立美術大学・北郷悟学長:
秋田公立美術大学は、本日を境に次の10年に向けて新たなスタートを切ることになる。「つくるをともに創る」のテーマをしっかりと胸に刻みながら、さらなる飛躍を目指す

愛称は「秋美(あきび)」。2013年に前身の秋田公立美術工芸短大を4年制大学に変えて開学し、現在は東北で唯一の公立美大として新たな芸術領域を創り出している。

しかし、そのスタートは波乱含みだった。文部科学省の審議会の答申で設置認可の方針が出ていた大学について、当時の田中真紀子大臣が「これは残念ながら認可するわけにはいきません」と方針を一転。設置を認めないと発表し、秋田市と秋田県は猛反発した。

穂積 秋田市長:
非常に遺憾

佐竹 秋田県知事:
厳重に抗議したいと思います
一部の受験生が進路の変更を余儀なくされる中、地元や野党からの反発も強まり「認可しない」発言から1週間後。

記者:
事実上の認可ということでよろしいか
田中真紀子文科相(当時):
はい、そうですけども、そうですが。3校については認可します

ドタバタ劇を経ながらも、晴れて開学となった秋美は、現在「ものづくりデザイン」や「ビジュアルアーツ」など5つの専攻がある学部、それに大学院を合わせて474人が在籍。全国各地から学生が集まるようになり、秋田の伝統文化をいかしながらグローバルな人材の育成にも力を尽くしている。

ものづくりデザイン専攻3年・平等彩斗さん:
私は将来、この大学で学んできたことを生かしながら、私が生まれ育った地元で地域おこしをしたいと考えている。地域おこしは多種多様なアプローチの仕方があるため、一筋縄ではいかないのが現実。しかし、この秋田公立美術大学という恵まれた環境で学んできた私は、この夢を実現する自信がある
秋美の新たな躍進に向け、挑戦は続く。
(秋田テレビ)