熊本出身の医師が立ち上げた医療系ベンチャー企業が国内最大規模の診療データベース保有の企業と資本業務提携を結んだ。
今後、双方のデータや技術を生かし心疾患に特化した新たな治療法などの開発を支援する。
循環器内科の医師が開発した超聴診器
熊本と鹿児島に拠点を置く「AMI」は、熊本出身の循環器内科の医師・小川晋平代表が2015年に立ち上げた医療系ベンチャー企業だ。

小川代表は、心疾患の診断をアシストする機能が付き、遠隔でも対応できる次世代型の聴診器を研究開発している。

AMIが開発する「心音図検査装置」はまさに“超聴診器”。胸部にあてるだけで心電、心音を同時に計測でき、2022年に薬事承認され注目されている。
国内最大規模の医療データと連携
AMIが今回、資本業務提携を結んだのは2003年に設立され、医療、健康情報を基にシステム開発や分析などを行うMDV(メディカル・データ・ビジョン)だ。

資本業務提携により、MDVが持つ国内最大規模の医療データとAMIの心音データなどを組み合わせることで、より充実したデータベースの構築が可能になる。

心疾患の早期発見、治療のために活用できるだけでなく、新たな治療法の開発支援も目指している。

メディカル・データ・ビジョン取締役 中村正樹アライアンス推進室長:
我々が収集したデータとAMIの循環器領域で、今後入ってくるデータを組み合わせることで医療の質の向上、早期発見、早期快癒を実現したい
小川代表「さらに高い質の超聴診器へ」
AMI 小川晋平代表:
心音データに、心臓超音波検査や血圧、心電図情報など100項目以上がひも付いたデータベースを作っているが、音だけつくっても、それが何を意味するのか、そこに意味づけしたり、ラベルを張っていくのかが重要になるので、時系列データなどこの心音データの患者がどうなっていったのか、MDVとの連携によってさらに高い質の超聴診器プロジェクトや価値を高いものにしていく

小川代表はこれまでの技術を生かし、心音以外の領域への応用や海外展開を見据え、研究開発を推進していくとしている。
(テレビ熊本)