札幌市中央区の円山動物園ではアジアゾウの赤ちゃんが間もなく誕生する。日本では前例のない飼育方法での出産だ。

アジアゾウの赤ちゃん まもなく誕生!

来園者:
いや~赤ちゃん見たい。絶対かわいいよね

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札幌市の円山動物園に4頭のアジアゾウがやってきたのは5年前。

「パール」の妊娠に飼育員らが気付いたのは2022年9月のことだった。

札幌市円山動物園・鎌田祐奈さん:
私も生まれたてのゾウは見たことがなく分からないですが、これくらいの大きさだと思います

ゾウが妊娠している期間は22カ月。赤ちゃんはなんと体重100キロ前後で生まれるという。

飼育員の鎌田祐奈さんは、ずっと4頭の世話を担当してきた。

札幌市円山動物園・鎌田祐奈さん:
(ゾウが)来たばかりの頃から(担当)。それにミャンマーにも行かせていただいて、ミャンマー時代のゾウたちも見ていたので、ここまで元気に暮らしていてうれしい

ゾウにストレスを与えない“準間接飼育”

円山動物園では「準間接飼育」でゾウの体調を管理している。

これは、ゾウにストレスを与えないよう飼育員が檻には入らずに飼育する方法で、この取り組みでアジアゾウが出産するのは全国で初めてだといわれている。

札幌市円山動物園・鎌田祐奈さん:
人の安全も守りながらゾウの健康管理もできる飼育方法です

採血やひづめを削る削蹄(さくてい)などの健康管理はすべて柵越しに行う。

柵の隙間から足を出してもらうなど、「準間接飼育」はゾウたちの協力が必要不可欠だ。このため鎌田さんらは、竹ざおを使って意思の疎通ができるようトレーニングを続けてきた。

今では、おなかの中の赤ちゃんを調べるエコー検査もさせてくれるようになった。

札幌市円山動物園・鎌田祐奈さん:
伸びている感じがいいんだと思います!キープできます!

「準間接飼育」で自由に過ごす4頭のゾウ。

実はパールが妊娠した時期は誰にも分からないため、いつ赤ちゃんが誕生するかは「間もなく」としか言えないのだそう。

札幌市円山動物園・鎌田祐奈さん:
パールはのんびり毎日落ち着いていつも通り暮らしているんですが、出産して終わりではなく、生まれた赤ちゃんを大きく大人に育てるのも使命の一つ。今後も精進していきたいと思います

円山動物園では、パールの赤ちゃんは秋ごろまでには生まれると予想している。

(北海道文化放送)

北海道文化放送
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