全国の小学生に聞いた「大人になったらなりたいもの」。注目は男子の2位、女子の5位に入っている「ユーチューバー・動画投稿者」。こうした中、SNSの動画投稿などを通して世間に大きな影響力を持つ、いわゆる「インフルエンサー」の仕事に密着した。

インフルエンザ−の仕事に密着

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スマートフォンを手に、真剣な表情で撮影する女性。今度は男性が女性の歩く姿を撮影している。

平吹諒(ひらぶき りょう)さん:
オッケー。
平吹実歩(ひらぶき みほ)さん:
何かに使えると思う

2人の仕事は…

小松市に住む平吹諒(ひらぶき りょう)(25)さん、実歩(みほ)さん(23)夫妻。北陸のおでかけスポットなどを紹介する動画を投稿し、フォロワー数はおよそ4万5000人。いわゆるインフルエンサーだ。

記者:
撮影は実歩さんがやる?
実歩さん:
撮影・編集はわたしがやって、企画は諒がやっています。分業でふたり一組でやっています。
記者:
仲良くないとできないですね
実歩さん・諒さん:
はい

企業が2人にPRの仕事を依頼するように

活動名はふたりの名前を合わせた「りみぽ」。最近では、企業が2人の人気にあやかり、PRの仕事を依頼することも増えているそうだ。

その撮影現場に同行させてもらった。

実歩さん:
一応、台本がこんな感じで…リール投稿しようかなと。

今回の仕事は、繊維メーカー小松マテーレが金沢市東山にオープンしたショップのPR。2人に依頼した理由は?

小松マテーレ 上村未有さん:
課題としてはアクセス、メイン通りから少し離れた場所なのでなかなかお店の場所を知っていないとここまで足を運んでくれる人は少ないっていうのが課題だったので、インスタグラムだったりSNSの力を使ってお店を知ってもらいたい。

小松マテーレ 上村未有さん
小松マテーレ 上村未有さん

10代と20代の半数以上は、暮らしの情報をSNSから得ていると言われている。そのため、インフルエンサーの重要性は、日に日に増しているのだ。

次々と撮影する実歩さん。ある工夫がある。

記者:
めっちゃサクサク、すごいスピードで撮影するんですね?
実歩さん:
基本2〜3秒くらいの動画を細かく撮って繋いでいくので、そんな感じです。

実際に、投稿されている「りみぽ」の動画を見てみると…

りみぽの動画:
大迫力のイカと絶景が楽しめる観光スポットに行ってきたよ!

ネット上に動画があふれるこの時代。カットを次々と積み重ねることで見る人を飽きさせない工夫だ。わずか20秒ほどの動画だが、多い時で100カットほど撮影するそうだ。

さらにもう一工夫。自ら出ることにも意味があると言う。

実歩さん:
(人が映っていると)より一層、実際に行ったときにどんな感じかって、一番イメージがつきやすくて、なので人を入れることで、「あ、行きたいな」って思うことにつながると思うのでそこは意識しています。人が出てこなかったら(動画から)すぐ離脱しちゃうと思うんです。人が映る方が、視聴再生時間が長くなる。

撮影や編集にとことんこだわることがインフルエンサーの第一歩だ。2人が手がけた飲食店のPRでは、売り上げが20倍になったこともあるそうだ。

実歩さん:
やっぱり楽しいですね。DMとかメッセージでフォロワーさんから連絡いただくこととかも多くて「いつも情報ありがとう」とか、そういうのが毎日何件か届くのでやりがい感じるなって思います。

実歩さん
実歩さん

企業から自治体まで…2人の影響力に期待

そんな2人がいま携わっていること。それは…

諒さん:
子育てに優しい小松市!。
モデルの女性:
子育てに優しい小松市!
諒さん:
ちょっと元気ないですね。
モデルの女性:
子育てに優しい小松市!
諒さん:
はい、オッケーです!

小松市の公式インスタグラム、「こまバズ」の企画・運営だ。

実歩さん:
ジェスチャーでお腹…みたいな。動きがあるといいですね。
モデルの女性:
おなかの赤ちゃん給付金、プラス5万!
諒さん:
いいですね!

ちなみに、出演しているのは…

記者:
動画影用のモデルさんとかタレントさんとかではなくて?
市の職員:
いや、職員です(笑)SNSに普段出ることはないんですけど、少しでも力になれればと…

北陸新幹線の開業を控えた小松市が、若い世代に市の魅力をPRしようと今年1月に開設した「こまバズ」。特に力を入れているのが…

小松市の宮橋市長が踊ったり、プライベートの過ごし方を紹介したりするものだ。

諒さん:
やっぱり市長って、お堅い職業って思われている。(ターゲットの)20代~30代はSNSを見る目的はエンタメ要素が大きいので、ゆるさを時折、見せるようにしています。
記者:
その時、市長のリアクションは?
諒さん:
やりましょう!って感じで。
実歩さん:
ノリノリで
諒さん:
めちゃめちゃ面白い。

この動画に職員の反応は…

小松市広報秘書課の職員:
市長がこれだけ頑張っているからには、職員も頑張らなきゃって気持ちになりますね。小松市のファンの獲得に(2人には)力を貸していただければと思っています。
諒さん:
頑張ります!ありがとうございます!

いまや小学生の憧れの職業となったインフルエンサー。

記者:
子供たちにこの仕事はいいよって言えますか?
諒さん:
良いと思います。自分の発信する情報で、人の役に立っている。それが素敵だと思います。それに尽きるかな。

自治体や企業からも注目される「インフルエンサー」その活躍の場はますます広がっていきそうだ。

(石川テレビ)

石川テレビ
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