2022年から続く飼料などの高騰が、畜産農家に暗い影を落としている。6月12日と13日に宮崎市で子牛の競りが行われ、平均価格は2022年の同じ時期と比べ、約9万円安い約55万円だった。

「なんとか生き延びている状態」

繁殖農家:
牛の値段が上がってないどころか、ちょっと下がってる状況で結構きつい

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繁殖農家:
ほとんどの人がマイナスだと思います。今なんとか生き延びてる状態じゃないですかね

2022年から2023年にかけ、宮崎県内の家畜市場で取引された子牛の平均価格の推移のグラフを見ると、2022年の5月以降、下落傾向が続いているが、5月は56万円台まで落ち込んだ。

飼料や資材の高騰で飼育コストの高止まりが続く中、子牛を購入する肥育農家の買い控えなどが影響している。コロナ禍の影響で高級牛肉の需要が落ち、枝肉価格が低下しているのも理由の1つとなっている。

飼育に必要な経費以下の値段で取引も

6月12日と13日は、JA宮崎中央家畜市場で子牛の競りが行われ、2日間の平均取引価格は約55万2,000円で、5月に続き60万円を下回った。2022年の6月と比較すると約14%低くなっている。

繁殖農家:
価格は低いですね。一番は利益がなかなか出てこないというのと、その状況の中でモチベーションを保つのが難しいかなと思います

繁殖農家:
子牛農家も危機感を感じながらやっている状態。そんな中でも60万、70万の牛が出てくるのがせめてもの救いかなと。肉の消費が伸びてくれることが一番分かりやすい改善方法じゃないかなと

子牛を育てる繁殖農家によると、飼育に必要な経費以下の値段で取引されるケースもあり、貯蓄を切り崩しながらしのいでいる農家も多いという。

JA宮崎中央家畜市場で行われた子牛の競りの様子
JA宮崎中央家畜市場で行われた子牛の競りの様子

――平均価格55万2,000円については?

JA宮崎中央畜産部・中森和幸部長:
繁殖農家からすれば低いかなと考えているところですが、でも肥育農家の現状を考えた時にここが精いっぱいの価格形成じゃないかなと。飼料、肥料が高止まりしていますので、政府のこれからの支援というのが必要不可欠なんじゃないかと考えています

私たち消費者も、スーパーで宮崎牛に手を伸ばし買うことで、宮崎のブランドを守っていくことにつながるのではないだろうか。

(テレビ宮崎)

テレビ宮崎
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