文部科学省が滋賀県の「彦根城」と奈良県の「飛鳥・藤原の宮都」の世界文化遺産登録をユネスコに推薦する方向で調整を進めていることが分かった。
政府関係者によると、世界文化遺産の今後の推薦候補について文化審議会で意見がとりまとめられ、滋賀県の「彦根城」を9月15日締め切りの「事前評価制度」に申請する方針が固まった。世界遺産委員会の諮問機関であるイコモスの評価が得られれば世界文化遺産に推薦する可能性があるということだ。
「事前評価」制度は今年から始まる制度で、評価次第では提案の見直しや推薦の可否を検討することになる。
さらに、奈良県の「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」についても、推薦に向け調整を進めるということだ。
現在、世界文化遺産に推薦するために必要となっている文化財指定がされていない資産もあることから、指定に向けた取り組みを進めることにしている。
「彦根城」は、1992年に世界文化遺産の候補地として暫定リストに記載されてから30年以上が経っていて、世界文化遺産に登録されれば滋賀県にとっては長年の悲願達成となる。