6月24日、島根・松江市の中心商店街「天神町」は家族連れなどでにぎわった。「土曜夜市」が約30年ぶりに復活し、人通りが少なくなっていた商店街に久しぶりに活気が戻った。
50以上の出店で活気 限定メニューも
歩行者天国になった道路には人の波。久々に活気があふれていた。
この記事の画像(12枚)TSKさんいん中央テレビ・安部大地記者:
(24日)午後7時半、松江市の白潟・天神エリアです。歩行者天国となった商店街の道路を埋めるぐらいの人が集まっています
6月24日、松江市の中心商店街、天神町と白潟本町の2つの商店街を結んで「土曜夜市」が開かれた。50以上の「出店」が並び、家族連れなどでにぎわった。
土曜夜市実行委員会・高田良和委員長:
この光は、世代、時代、商店街を超えて、つなげていくつもり
この「土曜夜市」は、中心商店街の衰退に歯止めをかけ活性化につなげようと、2つの商店街と市内のまちづくり会社が連携し、開催された。
「夜市」はもともと、1980年代まで土曜の夜を中心に開催されていて、商店街のにぎわいの象徴でもあった。今回の開催によって、約30年ぶりの復活となった。
射的や金魚すくいなど、縁日でおなじみの屋台が並ぶなか、商店街の各店舗も限定メニューを用意し、イベントを盛り上げた。
お茶の老舗「中村茶舗」が用意したのは、オリジナルの「抹茶レモンサイダー」だ。
中村茶舗・中村寿男社長:
レモンジュースとグリーンティーを合わせたもので、緑と黄色で色が映えますし、そういうものをどんどん作っていこうということでやってますね
空き店舗を活用し「お試し出店」
空き店舗を貸し出して「お試し出店」も行われた。一緒に商店街を盛り上げる仲間を探す狙いだ。
安部大地記者:
かつて薬局だった空き店舗では、イベント限定で古着店と“八百屋”が出店しています
ここで店を開いた岡田さつきさんは松江市の地域おこし協力隊員。将来は青果店とカフェを融合した新しい店を持ちたいと考えている。「土曜夜市」の場を借りて、県内産の新鮮な野菜を販売、ほぼ完売した。
出店した岡田さつきさん:
おかげ様で売れました。夕方からにぎわいが戻ってくることは素敵だと思う
訪れた子どもたちは「いろんな店があってびっくりした」「この辺りは初めて来た。また来てみる」などと話し、イベントを楽しんでいた。
日ごろ、商店街を訪れることがなかった若い世代にとって、レトロな雰囲気の「土曜夜市」は新鮮な体験になったようだ。
若い人たちが店を出すきっかけに
思いがけないにぎわいに、出店した業者からも「ビールは20リットルを4樽くらい用意していたが、売り切れた」と、うれしい悲鳴が上がった。
松江本町商店街協同組合・野上伸明理事長:
にぎわいがすごいなと思う。うれしさいっぱい。若い人たちが商店街に店を出すことにつながればと思う。
商店街に、かつてのにぎわいが戻った令和版「土曜夜市」。今後も10月まで、月1回開催される予定で、商店街の復活へ向けた様々な仕掛けが試される「実験」の場にもなりそうだ。
(TSKさんいん中央テレビ)