新型コロナウイルスによる感染は現在も東京などで、新規感染者が確認されている。まだ予断を許さず、マスク着用の生活はしばらく続きそうだ。

しかし、暑い中でのマスク着用は、蒸れる、汗をかく、息苦しいなどの不快な面が多くある。15日には都内で32.6度を記録するなど、本格的な夏に向けて徐々に暑さが厳しくなってきていることから、夏のマスク対策は今後さらに重要となってくる。

編集部では“水に濡らして使うマスク”など、暑い中でも着用できるマスクを紹介したが、今回新たな方法で冷たく感じることができる夏用マスクが登場した。

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保冷剤を入れてひんやり“抗ウイルス加工マスク”

紳士服販売店「洋服の青山」を展開する、青山商事株式会社が発売するのは「抗ウイルス加工マスク・冷涼タイプ」だ。

「抗ウイルス加工マスク・冷涼タイプ」(画像提供:青山商事)
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一見、普通のマスクと変わりないようだが、実は内面に施されたポケットに保冷剤を入れることができ、本当に冷たいマスクとなるのだ。

このマスクは、既に洋服の青山公式オンラインストアで抽選販売されている「TioTioプレミアム洗える立体マスク」を猛暑対策マスクとして改良したもの。

保冷剤を入れたマスク内は、入れる前(外気温30度時)と比較して約10度下げる冷却効果があるそう。効果は約30分間持続し、1時間ほど再冷凍することで繰り返し使用することができる。

冷涼タイプの秘密は“保冷剤”(画像提供:青山商事)

また抗菌スーツの技術から生まれたマスクでもあり、生地に施しているハイブリッド触媒「TioTioプレミアム加工」にはさまざまな効果があり、その効果は、繰り返し洗っても持続するという。

<「TioTioプレミアム加工」の効果>
(1)長期間にわたり高い「抗菌・抗ウイルス効果」
(2)汗などのイヤな臭いを軽減する「消臭」
(3)汚れが洗濯時に落ちやすい「防汚」
(4)静電気により付着した花粉やほこりなどが落ちやすい「帯電防止」 など

マスクのサイズは、ふつう・やや小さめの2種類で、カラーバリエーションは白・ネイビー・グレー・ライトグレーの4色を展開。

保冷剤2点セットの1枚790円(税別)で、洋服の青山全店とオンラインストアで、7月11日からの発売を予定している。

カラーバリエーションは4色(画像提供:青山商事)

保冷剤の出し入れが簡単にできるため、冷房の効いた部屋やそれほど暑くない日には取り外すことで、時期を気にせずに使用することもできそうだ。

これまでもいろいろな企業から“冷感マスク”が発表されてきたが、保冷剤を使用するというマスクは珍しい。アイデアはどのようにして生まれたのだろうか?そして、保冷剤は重く感じないのか?

青山商事・商品部の髙橋拓也さんに話を聞いてみた。

シーズン縛りではなく“臨機応変に対応できるマスク”

ーー「抗ウイルス加工マスク・冷涼タイプ」製造の経緯を教えて。

TioTioプレミアム加工については、以前よりスーツやドレスシャツなどで10年以上展開しており、昨今の状況を踏まえて、お客様へのお役立ち・少しでもの安心感を提供することはできないかという流れにより、マスクにて設定価格もなるだけ抑えて、社会貢献の意味も込めて、どなたでも気軽に手にとれるようにしました。

冷涼タイプについては、例年以上の猛暑予測がある今年の夏について、少しでもお役立ちできればというところから、企画に至りました。

暑いの日のマスクはつらい(画像はイメージ)

ーー保冷剤を入れるアイデアはどこから?

冷涼タイプについては、以下2点から発想に至りました。
(1)例年以上の猛暑予測がある今年の夏は、接触冷感素材等では抑制しきれない気温も予測された事。
(2)シーズン縛りの商品よりも、季節により臨機応変に対応できるマスクの方が、消費者の方々へのお役立ちになるのではないか。


ーー保冷剤が結露してマスクが濡れたりはしない?

解凍時の環境によって濡れることはあると思います。ただし、裏に採用しているポリエステルスムースは比較的乾きも早いのと、加工しているTioTioプレミアムは消臭や抗菌効果があるため、細菌の繁殖などを抑制する効果があります。


ーー製造の際に苦労はあった?

新型コロナウイルスの感染が始まり、本来マスクに利用される付属品が手に入らず、当社としてどうすれば、お役立ちできる商品を提供することができるか、という点は非常に苦労しました。

また、満足いく形になったものはいいものの、ジャケットなどに使う素材をどう心地よく、ファッションマスクとしてかっこよく見せるか、そして、多くのお客様へお求めやすい価格でご提供できるかに苦労しました。

最終的には社会貢献のためにという、企業としては誤った選択かもしれませんが、利益を顧みない価格で、とにかく少しでも多くの方に使ってもらおうという気持ちを、会社として判断しました。

「想像以上に重さを感じにくい」

ーー特長はどこ?

TioTioプレミアムの優れた機能はもちろん、長年スーツで培った技術で立体マスクを作りたかったため、生産背景もスーツ工場でスーツの技術者様のご協力を得ながら作成したことが特長です。

耳が窮屈に感じる方もいますので、お客様のちょうどいい長さで結べることや、万が一劣化などしても使用いただけるように、スペアのひももお付けしています。柔らかな素材ですが、保冷剤を入れても表にシルエットが響きにくいというのも、1つの特長です。

保冷剤は30分程度で溶けますが、蓄冷剤のひんやり感は一定時間継続するので、気持ちいいと思います。


ーーこだわりは?

身内や息子、社内スタッフに何度も着用してもらいながら、微修正を重ねた型紙には満足しています。

また、保冷剤を入れた際に、重さにより落ちてくることを避けるために、極小保冷剤を使用したこと。ポケット位置によるズレを抑制するなど、着用した方がご満足いただけるよう、こだわった点はたくさんあります。


ーー使う際の注意点は?

・10グラムと極小サイズの保冷剤とはいえ、人により体感温度や敏感度も違いますので、そういった方へは、当て布をするなどをおすすめします。

・洗濯時に耳ひもを挟んで干してしまうと、耳ひもの劣化に繋がりますので、ご注意下さい。

・保冷剤が入っていても、今年の暑さによる熱中症はどのマスクでも起こりうるので、定期的な水分補給と、外などでの密度の薄い環境では、マスクを外すことをおすすめします。

定期的にマスクを外したり水分補給を(画像はイメージ)

ーー実際に保冷剤を入れて着用した感想は?

想像以上に重さを感じにくいのと、解凍後もひんやりが持続するため、素直にすごく気持ちいいです。個人差はあるかもしれませんが、保冷剤のシルエットも気にならないです


ーー最後に、商品に込められた思いとは?

ありきたりですが、とにかく皆様のお役立ちに対して、青山商事も1つの選択肢にありますということ。お店も全国にございますので、様々な地域の方々へのバックアップになれたら、と心底願っています。

(画像提供:青山商事)

保冷剤は、冷たさと同時に安全性を優先した“極小の10グラムサイズ”を使用しているとのことで、2個入れても着用時の違和感はうすいという。

発売前にも関わらず、既に多くの反響があるそうで、「皆様の弊社への期待に、一社員としてただただありがたく思うのと、より喜ばれる・お客様のお役に立てるものつくりをしたいと気が引き締まる思いです」と語ってくれた。

既に夏のように暑い日もあるが、本格的な暑さを迎えるのはこれから。マスク問題に直面する前に、今のうちに対策を考えておいた方がいいだろう。
 

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