6月6日は県などが定めた「山形さくらんぼの日」で、寒河江市ではキックオフイベントが開かれた。2023年に本格デビューする「やまがた紅王」の生育が順調な一方で、強風によるハウスの倒壊被害も確認された。

いざ! サクランボのシーズンへ

寒河江市で行われた「山形さくらんぼの日」のキックオフイベントには、県の担当者や生産者などが参加した。

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吉村知事:
これからの約1カ月は山形県がサクランボ一色に染まる。たくさんのサクランボや果物、笑顔を消費者の皆さまへお届けできるようオール山形でみんなで頑張ってまいりましょう

シーズンの始まりを告げる恒例イベントだが、2023年の主役は本格デビューする大玉サクランボ「やまがた紅王」。会場には市内の園児が応援に駆け付け「紅王ダンス」を披露した。

最上川ふるさと総合公園でのイベントは6月30日まで行われ、やまがた紅王がもらえるトークショーやマルシェなどが予定されている。

ことしの主役は500円玉大に成長

そして気になるのが、6月18日から収穫のピークを迎える「やまがた紅王」の生育状況だ。

王将果樹園・矢萩美智社長:
このぐらいあれば紅王になるんじゃないか。2L以上という規格があるから

「やまがた紅王」生育状況(王将果樹園) 大きさ8割程度 色づき3~4割程度
「やまがた紅王」生育状況(王将果樹園) 大きさ8割程度 色づき3~4割程度

天童市の果樹園で見せてもらうと、中にはすでに500円玉くらいの大きさまで育っているものもあった。出荷の基準からみると大きさは8割程度で、色づきは3割から4割程度だという。

霜の被害で木の下の方に実がならなかったそうだ
霜の被害で木の下の方に実がならなかったそうだ

3月から4月にかけての霜の影響による被害も確認されていた。

王将果樹園・矢萩美智社長:
紅王は花が早い。霜の被害があった時にタイミングがあってしまい、被害でいうと半分ぐらい。木の下の方がなっていない

収穫量は2022年の10倍・100kgを見込んでいたが、半分程度になる見込みだ。本格デビューといってもまだまだ貴重な「やまがた紅王」。矢萩社長は、山形のサクランボをけん引していく存在に育ってほしいと期待している。

王将果樹園・矢萩美智社長:
紅王を起爆剤にしながら、他のサクランボ、紅秀峰や佐藤錦だったり、そういうサクランボも知ってもらって、山形のサクランボを知ってもらう。そういう機会にして、そしてまた来年も食べてもらう、サクランボ狩りに来てもらう。そうやってつなげていけたらいい

ビニールハウスの倒壊・破損被害800件

一方、4日に河北町で撮影された映像では、屋根の上に倒壊したハウスが覆いかぶさっていた。

提供:岡崎真人さん
提供:岡崎真人さん

岡崎秋一さん:
ちょうど外にいた。うわっ、と一瞬。2秒くらいだった。道路の方まで出てきた

提供:岡崎真人さん
提供:岡崎真人さん

4日午前10時すぎ、岡崎秋一さんのサクランボ畑で、強風によりハウスが倒壊した。5日までに壊れたハウスのパイプを片付け、6日は仮設のハウスを作る作業が進められていた。

岡崎秋一さん:
今、仮設でハウスを作っている。雨が降られるとサクランボが全部割れてしまう。すぐ割れるから。バーンと。すぐに割れて商品価値がゼロになってしまう

紅秀峰の木にだけ仮設のハウスを設置した
紅秀峰の木にだけ仮設のハウスを設置した

もうすぐ出荷する予定だった佐藤錦は色づきがまだまだだったが、雨が降る前にと5日に収穫した。それでも紅秀峰は最高の状態で出荷したいと、紅秀峰の木にだけ仮設のハウスを設置することにした。

岡崎秋一さん:
何とかいくらかでも収入を上げないと。お金かかる。修理に100万以上かかる

県によるとハウスのビニールが破損したり、固定していたひもが切れたりするなどの被害は、約800件確認されている。

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
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