福島県郡山市で起きたタクシー運転手による酒酔い運転。命を預かる立場にありながら業務中に飲酒したとみられている。勤務していた会社の社長は、事故以前に兆候はあったと話す。

まともに歩けないほど酩酊

事故が起きた現場は、子ども達が通学路としても使う場所。衝突したガードレールは撤去されていた。この場所に突っ込んだのは客を乗せたタクシー。運転手からは基準値の5倍を超えるアルコールが検出された。

事故が起きた現場は通学路にもなっている場所
事故が起きた現場は通学路にもなっている場所
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酒酔い運転などの疑いで6月6日送検された、福島県郡山市の元タクシー運転手・作田豊秋容疑者(62)。事故を起こした直後は、まともに歩けないほど酩酊していたという。
なぜこんなことが起きたのか。近所の人は「常にお酒飲んでいるような感じ」「以前、事故起こしたことある。それを忘れた頃に、また起こした。やめないから、酒は好きなんだね」と話す。

送検された容疑者 事故直後は歩けないほど酩酊していたという
送検された容疑者 事故直後は歩けないほど酩酊していたという

作田容疑者が勤務していた会社では、毎日出勤時と退勤時にドライバーのアルコール検査を実施。事故当日、作田容疑者の欄には異常なしを意味する丸印が付けられていた。

毎日出勤時と退勤時にドライバーのアルコール検査を実施
毎日出勤時と退勤時にドライバーのアルコール検査を実施

93歳の女性の家を出発したのは、5日午前7時50分頃。午前8時頃には女性を病院に送り届ける。その約2時間後に病院から女性の自宅に向かっている途中に事故を起こした。
病院で待機していた2時間ほどの間に酒を飲んだとみられ、車内からは酒の缶複数本が見つかった。

元勤務先を取材し分かった容疑者の事故当日の動き
元勤務先を取材し分かった容疑者の事故当日の動き

事故直前のドライブレコーダーを確認したという勤務していた会社の社長は「黄色いポールにぶつけて、お客さんは”何やってるの危ないから”って言っているのに”大丈夫、大丈夫”と言って。それでもまだ運転して、最後にガードパイプにぶつかった。お客さんに何てお詫びしていいのか、今も頭が真っ白で、責任を感じています」

ドライブレコーダーには事故当時の乗客とのやり取りも
ドライブレコーダーには事故当時の乗客とのやり取りも

福島テレビの取材に、乗車していた93歳の女性は「運転が怖かった。今も首が痛くて辛い」と話している。
取り調べに対して作田容疑者は「お酒を飲んで運転して乗客にケガをさせてしまった。申し訳なかった」などと供述。警察では危険運転致傷罪での立件も視野に捜査を進める方針。

容疑者は「酒を飲んで運転しケガをさせた申し訳ない」と供述
容疑者は「酒を飲んで運転しケガをさせた申し訳ない」と供述

事故の兆候

事故を受けて勤務していた会社では、6月5日に容疑者を解雇した。今回の事故以前にも兆候はあったという。勤務していた会社の社長は「2~3回、家に行った。具合悪い訳ではなく飲みすぎた様子だった。なぜ出勤日と分かってて飲みすぎるのかと何回か注意したことある」と話した。

以前には飲みすぎて出勤できないこともあったという
以前には飲みすぎて出勤できないこともあったという

社長によると容疑者は4月下旬に入社したが、入社初日に休んだため自宅に様子を見に行くと酒臭く、会社で検査したところアルコールが検出されたという。
勤務中の飲酒がこれが初めてだったのかどうか、今後の捜査で明らかになる。

 
 

(福島テレビ)

福島テレビ
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