石川県白山市にある白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)そのすぐ近くの山あいに旬のおいしい岩魚が食べられる場所があるという。取材をしてみると、骨まで柔らかい岩魚が食べられるというが、いったいどういう事なのか?

骨まで柔らかいイワナが食べられる「いわなの庵」

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岩魚やニジマスなど、川魚のおいしい季節だ。

白山市三宮町にあるいわなの庵では、炭火で焼いた新鮮な川魚を食べることができる。

併設されたいけすでは、飲食店に卸す魚を養殖している。

営んでいるのは、森良夫さん、祥子さん夫婦だ。

営業は4月1日から11月の終わりころまでだ。

竹内章アナウンサー:
川魚の養殖はいつ頃からやっているんですか?
森祥子さん:
昭和36年に、父親がここは(地面が)冷たくて寒くてあまりお米が取れないのでと言うことで養殖を始めたんです。岩魚は冷たいところが良いという考えがあったんでしょうね。

竹内アナ:
養殖場の水は山から?

森良夫さん:
生活用水が入っていない川だったら、相当、山奥に行かないといけないのですが、この川には生活用水が入っていないんです。
竹内アナ:
だからこの場所は、養殖にぴったりなんですね。

竹内アナ:
目の前にいるのが岩魚、すごい数がいるんですが…
森良夫さん:
サイズをそろえて、出荷用にここに置いているんです。餌を抜いているんです。

竹内アナ:
出荷前は(餌を)食べさせないんですか?
森良夫さん:
餌がおなかに入っていると、やっぱり臭いしね。

養殖場の隣で味わう炭焼きの「川魚」

そこで、食べ頃の川魚をいただく事にした。

竹内アナ:
ここで焼いていただけるんですか?
森良夫さん:
私は今グラウンドマネジャーになったので、若い人に任せています。

養殖場の隣にあるのが「いわなの庵」

この時期は、新鮮なイワナ・ヤマメ・ニジマスを食べることができる。

調理を担当するのは、飛嶋洋暢さん(52)

長年、常連客として通っていた「いわなの庵」で高齢になった森さんを手伝いたいと弟子入り志願。自らの仕事の合間を縫って森さん夫婦を支えてきた。

竹内アナ:
常連さんだったんですね?
森祥子さん:
いつも辞める辞めるって言うから辞めたらだめやって。火を消さないように頑張って手伝ってくれるって。

飛嶋さんは、自分の大好きだった店が無くなるのが嫌で、手伝うようになったそうだ。

飛嶋さん:
前々から、こちらにお手伝いに来させてもらって。お父さんから、厳しく塩の振り方とか魚の焼き方のポイントとかを習いました。寒いときに塩を打ち過ぎると食べた食感がくどかったりとか、逆に暑い時期に塩が薄かったら物足りなさを感じてしまうとか。

骨はどこに?頭から食べても柔らかい「イワナ」

串刺しにした魚をいろりに垂直に刺していく。これには理由があるそうだ。

飛嶋さん:
余分な脂が串を伝ってポタポタと落ちていると思うんですけど。これが内蔵の余分な脂なんですよね?

森祥子さん:
その脂が頭の所にいくから、カリカリしておいしくなる。
飛嶋さん:
ステンレスの串から、熱が上がってくるんで、全体に火が通るんです。

じっくり焼くこと40分。三種類の川魚ができる定食をいただいた。

飛嶋さん:
この上のヤマメから味わってみてください。

竹内アナ:
ヤマメから頂きます。おいしいですね。なんだろ、ほくほくしているようなしっとりしているような…。

続いてニジマスを頂いた。

竹内アナ:
ヤマメより身が締まっている感じがしますね。

そして最後は、イワナ。

竹内アナ:
イワナはせっかくだから、頭からいっちゃいましょうか。

竹内アナ:
わぁ、柔らかい!頭を食べている感じが全くしないですね。骨はどこに行ったんだ?と。本当に柔らかい、おいしい!

飛嶋さん:
”イワナの庵”です。
竹内アナ:
本当に、飛嶋さんのような後継者ができて、お父さん、お母さんからするともう心配が無いかな?って感じですね。

森祥子さん:
いつまで(私が)しなきゃいかんかな?って思っています(笑)
竹内アナ:
もう、飛嶋さんに任せて辞めちゃいたいんですね?
森良夫さん:
お客さんが「息子か?」って言うから「そうや“よその”息子や」って答えています。

飛嶋さん、元々釣り好きで、川魚が大好きだったそうで、森さん夫妻と出会って、この魚を大事にする店を守らないとと思うようになったそうだ。

そんな魚を大事にする「いわなの庵」で、とびきりおいしいイワナを食べて見てはいかがだろうか?

(石川テレビ)

石川テレビ
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