5月12日、命にかかわる病気や障がいのある子供とその家族のために、名古屋市守山区で出張プラネタリウムが開かれました。
満天の星に家族の笑顔の花が咲く
ドームに映し出された満天の星。
この記事の画像(16枚)地球から飛び出し宇宙にも。寝そべりながら、子供たちが父親や母親と星空や宇宙を見上げています。
これは、名古屋市守山区の金城学院大学の講堂を借りて行われた「出張プラネタリウム」です。
難病や小児がんなどを患い、なかなか星空を見上げることができない子供たちやその家族のために開かれました。
近づいて大きくなる火星をみんなで押し返す演出では、子供たちが「よいしょ~」と楽しんでアクションも。
大府市から来た秋田さんの家族。
2歳の娘の一葉ちゃんは、1歳の頃に小児がんを患いました。
父親の秋田孝介さん:
感動しましたね。やっぱりきれいで。ありがたいはありがたいですね。子供がこういう状態ではあるので、気兼ねなく参加できる
家族3人で初めて見た満天の星に…。
母親の秋田ひろみさん:
初めてです。すごく良かったです
秋田孝介さん:
1年入院していたので、家族でどこかに行くというのは全然できなかったですね
秋田ひろみさん:
すごく良い機会になりました
企画したのは、愛知県内にこどもホスピスの設立を目指す「愛知こどもホスピスプロジェクト」の畑中めぐみさんと安藤晃子さんです。
病院や学校などで出張プラネタリウムを行っている団体「星つむぎの村」に依頼し、実現しました。
畑中めぐみ理事長:
病気とかと戦いながらも、家族で楽しむ時間というのが少しずつ1つでも、イベントを開催する中でやっていけるといいなと思いました
安藤晃子さん:
最初に企画した時はどうなるかなと思ったんですけど、実際にふたを開けてみて、今日こんな風にボランティアの方とかたくさん来ていただいて
安藤さんは2021年、9歳の娘の佐知ちゃんを白血病で亡くしました。
プラネタリウムには、生前の佐知ちゃんの思いも込められています。
安藤晃子さん:
娘は初めて星つむぎの村のプラネタリウムを見た時に、「最高!これであと1年生きられる」って言って、それから1年4カ月生き抜きました
安藤さんたちが設立を目指す「こどもホスピス」とは、命に関わる病気の子供やその家族が過ごすための場所です。
大切な今という時を家族で楽しめるように、こどもホスピスの必要性を知ってもらいたいと、この企画を考えました。
参加した家族A:
病院で(プラネタリウムを)見せてもらったことをすごく覚えていたので、すごく胸が熱くなりました
参加した家族B:
家族4人で星を見てっていうのは初めての経験なので、すごく良かったです。こういう機会がまたあれば、ぜひ参加させていただきたい
安藤晃子さん:
子供さん本人はもちろん、兄弟や家族みんながこどもホスピスに行って、安らぎとかワクワクする瞬間を作れるような団体になりたいと思います。いい日になりました、すごく幸せです
愛知こどもホスピスプロジェクトでは今後、施設の建設に向けて寄付を募るほか、藤田医科大学で子供たちなどにガチャガチャをプレゼントする取り組みなどを実施する予定です。
2023年5月12日放送
(東海テレビ)