北陸新幹線の福井開業に合わせ、JR福井駅の高架下にある商業施設がリニューアル工事のため閉館することになった。観光客増加が期待される一方で、新施設完成までの間、日常生活への影響を心配する声も出ている。

“地域の台所”閉館で地元住民に制限も

JR福井駅の高架下にある商業施設「プリズム福井」。いわゆる“駅ナカ”の買い物・お土産スペースで、県内外から毎日、大勢の買い物客が訪れている。しかし、北陸新幹線の福井開業に合わせたリニューアル工事のため、5月28日に閉館することになった。

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駅周辺の住民にとっては、18年間“地域の台所”の役割も果たしていて、新施設の完成まで日常が大きく制限されることになる。

閉館前にセールも開催 大規模拡大の新施設へ

田島嘉晃アナウンサー:
5月28日には、約150メートルにわたって続く全ての店が閉館となります。スーパーやコンビニ、居酒屋、回転寿司などが並びます

33の店が軒を連ねていて、閉館を前に週末を中心にセールが行われる。すでに割引を始めているドラッグストアでは、医薬品が15%引きで販売されている。

プリズム福井を運営するのは、石川の「金沢ターミナル開発」だ。JR金沢駅の商業施設「百番街」も手掛けていて、福井の新施設の運営もこの会社が引き継ぐ。
新施設は現在の1.4倍、3,700平方メートルに拡大。金沢駅「百番街」の半分ほどの面積になる計画で、施設名も変わる。今後はテナント募集が行われる。

新幹線開業で、福井駅には県外からこれまで以上の訪問者が来ることが期待されている。駅ナカという好立地を生かして、新施設でも観光客へのお土産を販売し、地元の味覚の発信を担う。

リニューアルを期待する裏で…地域住民の生活に支障も

ただ、日常的に利用する地域住民に話を聞くと、一転、違った光景が見えてくる。
リニューアル工事の期間はこの買い物スペースがなくなるため、「不便になる」「困る」と日常生活への影響を心配する。

買い物客:
駅に近いので、すぐ買い物ができたので便利だったが、閉館となると少し不便になる

買い物客:
なくなると困りますね。でも新施設には期待していて、楽しみに待っている

新施設がオープンする2024年の春まで、仮設の土産物売り場の設置が検討されている。ただ、生鮮野菜や日用品の販売は、新施設完成まで大きく制限される。

新幹線開業で大きな変化を続ける福井駅周辺。喜びの裏で、近くの住民には一時的な制限が余儀なくされている。

(福井テレビ)

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