福井の県立恐竜博物館に、世界的に極めて貴重な化石がお目見えした。それは「恐竜の皮膚の痕跡」が残った化石で、2023年夏に日本で初公開される。通常、骨以外は化石に残らないため、恐竜の皮膚ほぼ想像で描かれてきた。今回の化石を手掛かりに研究を進め、恐竜の謎の解明が期待される。

恐竜博物館の目玉が日本上陸

アメリカから恐竜博物館に輸送された巨大な木箱。慎重にふたを開けると、そこに現れたのは縦2メートル、横3メートルの恐竜の化石だ。

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県立恐竜博物館・柴田正輝主任研究員:
頭があって、首があり、ここが胴体。腰からしっぽまでは欠損している

化石は草食恐竜「ブラキロフィサウルス」で、約7,700万年前の白亜紀後期に生きていた。2000年にアメリカで発見され、2022年12月まで、アメリカの博物館で展示されていたが、2023年夏に県立恐竜博物館がリニューアルオープンに合わせて、展示の目玉の一つとして借り受けた。期間は10年間で、金額は40万ドル(約5,200万円)。

“食べた植物片”残る貴重な資料

この化石が世界的にも極めて希少と言われるのは、「皮膚の痕跡」を残している点だ。通常、皮膚や内臓といった柔らかい部位は腐ってなくなり、化石には残らないという。

しかし、この化石は非常に保存状態が良く、骨の周囲にうろこ状の皮膚の痕跡が残っていた。
さらに残っていたのは皮膚だけではない。右肩付近には筋肉が残っていた。また胃には食べた植物片も確認できた。

専門家は「どのように動き」「何を食べていたか」など、恐竜の謎を解き明かす世界的な発見だと太鼓判を押す。

県立恐竜博物館・柴田正輝主任研究員:
皮膚が残っている恐竜は、世界的にほとんど発見されていない。皮膚と骨化石が一緒に発見されることによって、どの恐竜がどういった皮膚のパターンを持っていたのかを知ることができるので、非常に重要な資料となる

化石は2023年夏にリニューアルオープンする県立恐竜博物館に展示される。
また同博物館では化石も研究を進めていて、恐竜の皮膚という謎の解明にも挑んでいる。

(福井テレビ)

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