「食欲の秋」到来。北海道では秋サケの水揚げが本格化している。

ここ数年は生の筋子などの高騰が続いていたが、2023年は一体どうなるだろうか。

食欲の秋 2023年の秋サケは

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北海道東部の標津町で開かれた「しべつあきあじまつり」。

旬の秋サケを使った料理や、「サケのつかみどり」を目当てに約1万人が訪れた。

「大きいです!」(来場者)

限定1000食 イクラ丼を無料配布

中でも人気を集めたのが、秋サケからとれたイクラを使った丼だ。

限定1000食が無料で振る舞われた。

「おいしいです、ありがたいですね」(来場者)

北海道の秋サケ漁は2022年は幾分回復したが、ここ数年不漁が続いていた。

2023年の水揚げはどうなっているのか。

漁獲量3割減 猛暑で海水温が上昇

北海道東部の釧路町を出港した漁船が定置網を上げてみると、半分にも満たない量しか入っていない。

「まるっきり、サケがいない。きのうも網を上げているが、それよりより悪い」(昆布森漁協 さけ定置漁業部会 川原田良己部会長)

その後も網をあげるが、入っているサケはわずか。

この日の水揚げは約180kgと、2022年の同じ時期の6割ほどだった。

北海道によると、9月10日時点での北海道の秋サケの漁獲量は、前年同期の約7割に留まる。

「まるっきりサケがいない状態。異常だね。気温も海水温も、これだけ高いのは今まで経験がない」(川原田さん)

8月の北海道東部沿岸の海面の水温は平年値を最大で6℃上回り、各地で過去最高を更新した。

9月に入っても高水温が続いている。

「暖流の黒潮続流という流れが極端に北上している。北から海水を運んでくる親潮の勢力が弱いということで、北海道周辺の太平洋が高水温化している状況」(水産研究・教育機構 水産資源研究所 黒田寛さん)

南から流れてくる暖流の黒潮が過去最大級で北上している上に、冷たい親潮の勢力が弱くなっている。

さらに、この夏の記録的な暑さも加わり極端な高水温となっている。

これを嫌い、秋サケが沿岸に近づけない可能性があるというのだ。

食卓への影響は…?

札幌市東区のスーパー「マルコストアー」では、秋サケが100g当たり98円(税別)。1匹1280円(税別)と不漁の影響を感じさせない。

「2kgちょっとあるんじゃないですかね、安い」(来店客)

「安いと思います。いろいろ高くなっている中、半身1000円弱で買えるのは」(来店客)

不漁の影響はないのだろうか?

「漁獲量自体は少ないと聞いている。大きい魚体の値段が上がっていて、当店では小さいものを狙って買っているので、他社よりも買い求めやすい値段に。2022年は10~20円は安かった。これでも高くなっている」(マルコストアー 滝澤貴勝さん)

今後の値動きはどうなるのだろうか。

生筋子は今が買い時 プロがおすすめ

「秋サケ自体の値段は変わらないと思う。筋子は100g当たり580円と安い。2022年はこの時期だと780~980円だった。2022年の加工した筋子の在庫が余っている状況で、新物が加工にまわらず安く出せる。筋子が安いのはこの1~2週間くらいで、今がまさに買い時」(滝澤さん)

さらに、こちらも秋の味覚のサンマは1匹84円だった。

「安いですね。まだ一回も食べていないのでこの時期は食べたくなる」(来店客)

「5~6匹買ったが安い。圧力鍋で煮て食べると骨もやわらかくなっておいしい」(来店客)

中国が輸入を停止した影響でホタテの値段は400gで1382円と、こちらも例年より安くなっている。

「100g当たり50円くらい安くなっている。中国に輸出しないというのもあるし、2022年の冷凍の在庫が余っている状態なので、それがなくならない限り生は安い」(滝澤さん)

北海道文化放送
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