再開見通せず、休業したままの「駒の湯温泉」​

岩手・宮城内陸地震から、6月14日で12年。宮城・栗原市で震度6強を観測。
県内では14人が亡くなり、4人が行方不明となった。

被害を乗り越えて再開した栗駒山の温泉施設は、新型コロナウイルスの影響で再び、苦境に立たされている。

栗駒山中腹にある「駒の湯温泉」は、毎年、雪解けを待って4月下旬にオープンするが、2020年は、新型コロナウイルスの影響で休業したまま。

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駒の湯温泉 主人・菅原昭夫さん(64):
十三回忌にこういうことになってしまって…

駒の湯温泉は、全国から温泉ファンが訪れていたが、内陸地震で発生した土石流で被害を受け、宿泊客と従業員、菅原さんの母と兄、あわせて7人が犠牲になった。

江戸時代に開湯して、2020年で402年。「このお湯を守りたい」という一心で、5年前、日帰り温泉として営業を再開した。
しかし、浴室や脱衣所は大人3人ほどでいっぱいになるため、今は「再開の時期は見通せない」という。

駒の湯温泉 主人・菅原昭夫さん:
電話、問い合わせいただいている中で心苦しいが、温泉ファンは全国から集まってくるので、お客さまを振り分けるというか、制限することになるので、もう少し世の中が穏やかになってから、少しずつは受け入れたい

「また忘れられると…」営業再開に踏み切る「山脈ハウス」

同じ耕英地区にある日帰り温泉施設「山脈ハウス」。営業再開を前に、施設を運営する住民たちが草刈りに追われていた。
6月6日から、週4日のみの営業再開に踏み切った。

組合の代表・大場浩徳さん(59):
洗い場の腰掛けも、もう少し減らそうかと思っている。

内陸地震で、地区に通じる道路が寸断された耕英地区。
山脈ハウスが営業再開できたのは、地震から2年後の2010年。しかし、翌年、東日本大震災が発生。さらに、2019年は東日本台風の影響で、書き入れ時の紅葉シーズンに売り上げが落ち込んだ。再開を前に、食堂の座席も向かいあわないよう工夫したが…。

組合の代表・大場浩徳さん:
10月(紅葉シーズン)の時、土日は満席で、このくらいの席でお客さんを回していくと、どんなに時間がかかるのか…大変だなと思う。やっぱりでも、開店して、いくらかでも山に来る人たちに、ここの恵みというか、イワナでも食べてもらえれば。また忘れられると大変なので、やれるだけやってみたい

“次世代につながなければ” 「湯浜温泉 三浦旅館」

一方、栗原市花山地区の山あいにある「湯浜温泉 三浦旅館」。
明治時代から続く「ランプの宿」として知られている。

内陸地震と東日本大震災で、これまで2度、源泉が止まり休業したが、別の源泉を堀り当て、2012年に営業を再開。

しかし、2020年、新型コロナウイルスを警戒し、5月は営業を自粛した。
夏の登山シーズンが始まる5月の売り上げは、1年の売り上げの3分の1を占め、それが「ゼロ」になった。

三浦旅館 4代目・三浦治さん(65):
ことし珍しく、5月の連休は連日のように予約が入っていた。ゴールデンウィークに限らず、8月まで全部キャンセルになりましたから、コロナで自粛というのは終わりにしたい

6月1日からは、一度に入浴できる人数を減らすなど、対策をとって営業を再開している。

ーー湯加減は?

常連客:

いいですね、熱くもなくぬるくもなく、最適ですね

冬は、積雪のため閉鎖する三浦旅館。
今から雪が降るまでの半年間、どれだけ客が訪れるか不安もある。
それでも、今度は自分が宿を支えたいと、治さんの息子で5代目の千空さん(31)は考えている。

三浦旅館 5代目・三浦千空さん:
代々続けてきた稼業ですし、バトンを渡されてきたからこそ、次につなげていかないといけない。歴史の中で、コロナがあったねという感じになればいいかなと思う

(仙台放送)