4月1日から始まった、自転車に乗る際のヘルメット着用努力義務。自転車を取り巻く環境が変化する中でもう1つ、数年前から“義務化”が進んでいるものがあるのを知っているだろうか?

50代女性:
うわーすみません、知りませんでした。

30代女性:
入ってます。PayPayの自転車保険。(月)200円ですね。義務化されたタイミングで入りました。

そう、自転車保険だ。街でよく見かけるフードデリバリーの配達員をしている男性も。

月々550円ほどの自転車保険に加入しているという
月々550円ほどの自転車保険に加入しているという
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20代男性配達員:
入っています。もし、ぶつかっちゃったらお金もたくさんかかりますし、出前館だと(自転車保険)入らないと営業、稼働できないので。月々550円くらいなんですけど、自転車のオンラインショップで買った時に自動でついてくるやつ。

2015年に兵庫県で初めて義務化されて以降、徐々に広がり43都道府県で“義務”または“努力義務”に
2015年に兵庫県で初めて義務化されて以降、徐々に広がり43都道府県で“義務”または“努力義務”に

自転車保険の加入は2015年に兵庫県で初めて義務化されて以降、徐々に広がっていて、現在では43の都道府県で“義務”または“努力義務”とされている。その背景にあったのが、相次ぐ自転車の事故だ。

“8分に1件”事故発生 街で見た危険な運転

30代女性:
(子どもが)自転車にひかれちゃって、ここで。すごい勢いで後ろからガッてきた。

80代女性:
よそ見して(自転車)運転したから、骨が折れてるの2本。3カ月経っても、まだここ(額)にこぶがあるの。

相次ぐ自転車の事故 信号待ちをしていた女性が…
相次ぐ自転車の事故 信号待ちをしていた女性が…
女性は病院に運ばれ治療を受けた
女性は病院に運ばれ治療を受けた

2022年11月には神奈川県相模原市で、信号待ちをしていた女性が歩き出した瞬間、奥から来た自転車と衝突。激しく地面に倒れ込み、女性はその後、病院に運ばれ治療を受けた。

全国で発生した交通事故の中で、自転車の事故が占める割合は増加
全国で発生した交通事故の中で、自転車の事故が占める割合は増加

こうした自転車事故は後を絶たず、警察庁によると、全国で発生した交通事故の中で自転車の事故が占める割合は増加を続け、約8分に1件の割合で自転車事故が起こっていることになる。

取材中にもヒヤリとする場面に何度も遭遇
取材中にもヒヤリとする場面に何度も遭遇

取材班:
あっ、赤信号の横断歩道を横切っていきました。

今回の取材中にも、電話をしながら、タバコを吸いながらの“ながら運転”や歩道を横切る自転車、ぶつかりそうになる自転車など、ヒヤリとする場面に何度も遭遇した。

通行人を巻き込んだ事故になれば、被害者や本人の人生に大きな影響を及ぼしかねない
通行人を巻き込んだ事故になれば、被害者や本人の人生に大きな影響を及ぼしかねない

万が一、通行人を巻き込んだ事故を起こしてしまえば、被害者や事故を起こした本人の今後の人生に大きな影響を及ぼしかねない。

2013年には、当時小学生だった少年が乗った自転車が通行人の女性をはね、神戸地方裁判所が少年の母親に対して約9500万円と1億円近い高額な賠償を命じる判決が出たケースもある。

こうした“万が一”に備え、自転車保険加入の義務化が広がっている。

購入時に加入「何かあった時に不安」 定期点検を

千葉県船橋市の自転車販売店では、「自転車保険の加入は義務です」と書かれたポスターがレジ前に貼られていた。

自転車販売店のレジ前(千葉・船橋市)
自転車販売店のレジ前(千葉・船橋市)

自転車を購入する際に義務化を知り、保険に加入する人が多く、会計時に必ず保険に入っているか確認しているという。この春に大学生になり、自転車通学を始めるというお客さんも。

セオサイクル 柏倉哲マネジャー:
自転車保険が千葉県は義務になっているのは…。

10代男子大学生:
そうなんですか!?

この春に大学生になり、自転車通学を始めるという学生
この春に大学生になり、自転車通学を始めるという学生

セオサイクル 柏倉哲マネジャー:
今もし、そういう保険に入ってなかったら、これもお得なものなので付けますか?

10代男子大学生:
ぜひお願いします。

「何かあった時に不安だなと思ったのが大きいですね」と話した男子学生。年間2000円で自転車の点検とセットになっている保険に加入した。

男子学生は、年間2000円で自転車の点検とセットになっている保険に加入
男子学生は、年間2000円で自転車の点検とセットになっている保険に加入

定期的な自転車の点検も事故防止につながることから、この保険をすすめているという。

ブレーキのゴム。定期的な自転車の点検も事故防止につながる
ブレーキのゴム。定期的な自転車の点検も事故防止につながる

セオサイクル 柏倉哲マネジャー:
これはブレーキのゴム。ここまで減ってしまうと、きかなくなってしまう。タイヤですと、こういうふうにツルツルになったら交換ですね。もちろん保険も必要なんですけど、整備不良の事故もないことはないので、定期的な点検のおすすめを必ず伝えるようにしている。

「定期的な点検のおすすめを必ず伝えるようにしている」
「定期的な点検のおすすめを必ず伝えるようにしている」

一方、街では保険の種類がたくさんあり、どれに入ったらいいのかわからないという声が聞かれた。そこで、約50社の保険を取り扱う保険のプロに話を聞いた。

どんな保険に入ったらいい? コンビニで簡単手続きも

アイリックコーポレーション営業本部 営業教育部 加藤秀樹部長代理:
自転車保険義務化と言われていますが、そこで実際入らなきゃいけないのは個人賠償保険という保険なんです。

「義務化と言われていますが、実際入らなきゃいけないのは個人賠償保険」と保険のプロ
「義務化と言われていますが、実際入らなきゃいけないのは個人賠償保険」と保険のプロ

「個人賠償責任保険」とはこの場合、相手にケガをさせてしまった場合など、賠償責任を負ってしまった時にカバーできる保険。

実は、その個人賠償責任保険は知らずに入っている場合があるという。

すでに個人賠償責任保険に入っている場合も
すでに個人賠償責任保険に入っている場合も

アイリックコーポレーション営業本部 営業教育部 加藤秀樹部長代理:
実は、ご加入されている火災保険とか自動車保険についてることもあります。

火災保険や自動車保険のオプションとして、加入した際に付けている場合が多い
火災保険や自動車保険のオプションとして、加入した際に付けている場合が多い

自動車保険のパンフレットを見てみると「個人賠償責任」の文字が。火災保険や自動車保険のオプションとして、加入した際に付けている場合が多いという。

実際に店舗を訪れていた30代夫婦の火災保険にも…。

店舗を訪れていた30代夫婦の火災保険にも
店舗を訪れていた30代夫婦の火災保険にも

コンサルタント:
日常生活賠償っていうところが、備わっているところになります。

30代女性:
今初めて知りました。これで入ってるなら良かったなって。

その個人賠償責任保険の内容で確認するべきポイントは?

個人賠償責任保険で確認するべきポイントは「補償額」
個人賠償責任保険で確認するべきポイントは「補償額」

アイリックコーポレーション営業本部 営業教育部 加藤秀樹部長代理:
「補償額」ですね。最近の判例ですと、賠償金も1億円近い金額が出ていますので、やはり賠償責任部分も1億円以上カバーできるプランにした方がいい。もう1点は、実際事故を起こしてしまった時に加害者・被害者の個人での示談交渉って難しいので、プロが仲介に入ってくれる「示談交渉サービス」は付加されていた方がいいと思います。

個人賠償責任保険は相手への賠償のみを補償するものだが、それに加えて本人のケガの補償もついているのが「自転車保険」。

全国のローソンで簡単に加入できる
全国のローソンで簡単に加入できる

その自転車保険、実は全国のローソンで簡単に入ることができる。

マルチメディア端末「Loppi」 画面の指示に従い、名前や住所など必要な情報を入力する
マルチメディア端末「Loppi」 画面の指示に従い、名前や住所など必要な情報を入力する
約5分で手続き完了
約5分で手続き完了

店内にあるマルチメディア端末「Loppi」で画面の指示に従い、名前や住所など必要な情報を入力し、レジでお会計をするだけ。約5分で簡単に手続きが行える。

保険料は月々277円から、相手への補償は無制限
保険料は月々277円から、相手への補償は無制限
本人の死亡補償や通院の場合に出る金額はプランによる
本人の死亡補償や通院の場合に出る金額はプランによる

保険料は月々277円から、相手への補償は無制限で、本人の死亡補償や通院の場合に出る金額はプランによって異なる。

義務化が進む自転車保険。罰則等はないが、一度しっかり確認する必要がありそうだ。

(「イット!」4月20日放送)